(朝鮮日報日本語版) 読者の意見：地方自治体を「地方政府」と言う韓国メディアの表現はおかしい

　韓国は国の統治権が中央の「単一政府」に集中する単一国家だ。高度の自治権を各地方に委任し、地方がこれらを行使する連邦国家とは異なる。地方自治法第3条には、「市」と「道」が政府の「直轄の下」にあることが明記されている。

　メディアが地方自治体を「地方政府」と表現するケースがよく見受けられるが、上記の理由からこれは間違った表現方法だ。複数の州で構成される米国のような連邦国家においても、「地方政府」という言葉よりも「州政府」という表現の方が正しい。地方政府という表現は何か中央政府と対立し、対等な立場にある機関という印象を持ってしまうが、これは明らかに現状とは異なる。地方自治体は国の業務の一部が委任されているが、一方で管轄する部処（省庁）の長官から指導・監督を受ける立場にある（第167条）。管轄する部処の長官は地方自治体の長による命令や処分に対して修正を求めることができ（第169条）、その職務に関して命令を下すこともできるからだ（第170条）。