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天皇処刑と日本の共産革命に動き始めた中国

JBpress 9月16日(金)6時15分配信
 第一期工作の目標としていた国交正常化は田中内閣によって達成されたので、第二期の「民主連合政府の形成」を打ち出したのだ。「日本列島は、日本人だけの所有物じゃない」と嘯く鳩山由紀夫政権の出現によって達成されたかに見えたが、あまりにも短期間で終わった。

 ちなみに第三期工作の目標は「日本人民民主共和国の樹立、天皇を戦犯の首魁として処刑する」と、身の毛が弥立つ恐ろしいことを平然と書き連ねている。日本を革命で共産化するという堅忍不抜の意志表明であることが分かる。

 共産党の一党独裁による強権で、人権擁護どころか、指導者を批判する言論も民主化要求の反政府デモも一切許さない、今日の中国における状況の日本での展開である。2000年以上にわたって連綿と続いてきた日本的平和維持の二重構造(天皇の権威と政治の権力)の破壊である。

 カンボジア、ラオス、ネパールでは中国共産党の影響下で王政が廃止された。タイでも、華僑のタクシン派が台頭して以降、王政を揺るがす混乱が続いている。

 安倍政治を強権政治などと論(あげつら)い、自称民主化闘士などと思い込んでいる人士は、その時「こんなはずではなかった」と思っても後の祭りである。

 工作要綱には、第二期の目標を達成するために、「群衆掌握の心理戦」「マスコミ工作」「政党工作」「華僑工作」などを列挙する。

■ 第二期工作の細部

 「群集掌握の心理戦」では、「展覧会・演劇・スポーツ」「教育面での奉仕」「委員会開設」の項目がある。

 中国の書画・美術品・民芸品等の展覧会、民族舞踊団、雑技団、京劇団の公演、さらには中国語学習センターの開設などは、日本人が思うような単なる芸術鑑賞や語学の勉強ではなく、日本革命の素地をつくる遠大な目標の一里塚と位置づけていることが分かる。

 教育面での奉仕では、「大学へ中国人中国語教師派遣の申し入れ」や「留学生奨学金」という項もある。

 日本の大学や研究機関などで勤務する中国人教授は約3000人いるという。また毎年2000人の日本人高校卒業生に全額無条件の奨学金を発給して中国の大学へ留学させる、応募状況によっては5000人まで増加するとしている。

 教授たちは中国共産党の日本革命意志のもとに派遣されているのであり、また中国に親近感を持つ若者を育てて革命の土壌にする目的が透けて見える。

 日露戦争後、白人社会を負かした日本に憧れ日本に学びたいと、中国から1万2000人の留学生がやって来た。孫文、魯迅、梁啓超、蒋介石らはそうした留学生であった。

 お金がなく日本に来られない江沢民などのためには南京に中央大学を設立して学ばせた。日本は純粋に学問の場として提供したが、中国はすべてが革命の素地つくりと考えていることが分かる。

 「委員会開設」では、「中日文化交流協会」を拡充し民間人の組織体で実施させるが、大使館が支援する方式をとると明記したうえで、「初期においては純然たる奉仕に終始し、いささかも政治工作、思想工作、宣伝工作、組織工作を行ってはならない」と述べる。

 中国政府の革命意図を察知されないように手の内を隠し、友好的雰囲気で気軽に接触できるようにせよ、と厳命しているのだ。どれほど多くの日本人がこうして友好人士になったことであろうか。
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最終更新:9月16日(金)6時15分
JBpress
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