世界遺産 ポンペイの壁画展
2016年7月23日〜9月25日
名古屋市博物館
一面秋本さんに感謝 作品に登場した各務原の男性
四十年の連載に幕を下ろした漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(こち亀)。岐阜県各務原市で漫画塾を開く小林義永さん(53)は、原作者秋本治さんの臨時アシスタントとして作画を数回、手伝った。「仕事熱心で優しい人。絶対にまねはできない」と、秋本さんの偉業をたたえた。 小林さんは子どものころから週刊少年ジャンプを愛読。こち亀は「背景に写真を使ったり、当時は遠慮されていた戦車や銃などの武器を描いたりして、革新的だった」。作風に圧倒された。 高校一年の時、漫画の中で刑事が、紛失した銀色ライターを捜す場面があった。小林さんは読んだその日に百円ライターを買って、銀紙に包んで出版社に郵送した。するとその後、「読者が捜してくれた」との設定で、作中に小林さんの名前が二回も登場。刑事は「亀有でおとしたライターがなんで岐阜県でみつかるんだ!」と叫び、小林さんを「おまえはえらい!」とたたえた。 漫画家を志した小林さんは、東京都内の大学への進学を機に本格的に漫画に取り組み、新人賞の最終候補に残るなどした。出版社の新年会で秋本さんと初めて会って名前を伝えると、秋本さんはかつて漫画に登場させたことをすぐに思い出し「あの時の少年か」と驚いたという。
これがきっかけで、約二年間で四回ほど編集者に呼ばれ、漫画の派出所や背景などを描いた。仕事場での当時の秋本さんを「淡々と仕事に打ち込んでいた。締め切り間際で話し掛けられなかったが、周りは意外に和やか。秋本さんの人柄では」と振り返る。 小林さんは一九九〇年、単行本を出版。現在は自分で描くより後輩の指導に力を入れ、各務原市で「森羅万造(しんらまんぞう)マンガ塾」を主宰。小学四年から二十代の八人に漫画を教えている。 「こち亀は目標で、漫画人生の支えだった」という小林さん。「四十年も続けるのは強靱(きょうじん)な精神力のたまもの。秋本さんのような漫画家を育てたい」 (岐阜報道部・鈴木凜平) PR情報
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