世界中どこにいても生きていけるようなスキルを備えていれば、人生の選択肢は大いに広がる。世界で通用するスキルについて書いてみたい。
IT系スキル
現役エンジニアの人達は認識済だと思うが、IT系の技術は世界でもそのまま通じる。海外で働くなら、コミュニケーションは現地言語でとらなくてはいけないが、コマンドやスクリプト/プログラミング言語は共通だ。日本で身につけたスキルがそのまま活かせる。弁護士や医者などの現地の免許が必要な職業とは違い、能力が示せれば海外で仕事がもらえる。そして、ITエンジニアは海外では高給であることが多い。
実際、ぼくの知り合いにも海外で活躍するITエンジニアの知り合いもいるし、海外エンジニアのブログもたくさん見かける。
IT系スキルは海外移住を成功に導くかなり現実的な手段といっていいだろう。
ただし、日本でのキャリアは5年程度はあった方がいい。海外で通用するための具体的なスキルセットに関しては『NZ Moyasystem』のはっしーさんの記事が詳しいので、興味のある人には参考になるだろう。
ただIT職もひとつ欠点があり、あまり田舎の街に行くと働き口がない。都市部で生活する必要がある。
Web系スキル
Web系スキルも上のITに含まれるのだが、別に書きたかったので切り離した。
上で述べた通り、ITが世界共通のスキルと言う点に加え、Web系ならばリモートワークしやすいというメリットもついてくる。
あまり良くわからない人のためにもう少し簡単に書くと、もしあなたがWebサイトを制作し管理できるスキルと知識があるならば、メールなどで「ホームページをつくってほしい」という依頼を受け、自分のPCでホームページをデザイン&構築して、できあがったらインターネット上にデータをアップロードすればいい。依頼主がそれを確認してOKなら、支払いをしてもらい仕事は完了する。電気とインターネットがある限り、世界中どこにいても作業できる。国内のクラウドソーシングを利用することもできる。
もちろん、ITと同様に海外企業に就職してオンサイト勤務する選択肢もある。
僕も今このスキルの習得を目指している。上ではリモートワークをサラッと簡単そうに書いたが、簡単ではない。リモートワークならではのデメリットもある。
しかし、やはりメリットが大きので追求する価値はある。特に海外に興味のある人は移動好きの傾向が高いので、場所が変わっても仕事を続けられるWeb系スキルは魅力である。
僕は昔、組み込み系プログラマでハードありきのソフトの世界にいたので、問題が発生する度に現場に呼び出されていた。そこから比べれば、Web系の「身軽さ」はものすごく爽快である。
料理人(SUSHI)
料理人というのは、世界中どこでも食っていける。いい給料は期待できないが、シェフの募集は至るところで見かける。ニュージーランドでも、政府が発行する「長期不足職業」リスト」にはいつも「シェフ」が入っている。
和食の料理人なら「日本人」ブランドも大いに利用できる。いまや日本食の知名度は世界中で高まるばかり、海外のラーメン屋やお好み焼き屋などは人気店となる可能性が高い。「日本食」という看板を掲げれば集客できるので、韓国人や中国人らが自国料理店ではなく日本食屋を経営していることも稀ではない。
その中でも、やはり「SUSHI」は抜きん出ている。海外で人気のあるSUSHIは、日本のいわゆる寿司屋の「寿司」とはまた別物だという人達もいるけれど、「SUSHI」が世界で市民権を得たことによって恩恵を受けた日本人は多い。
海外でSUSHIの握れる職人は重宝される。僕も握れる。
今では世界から日本にSUSHIの技術を学びにくる人も多く、新宿にある「東京すしアカデミー」では、年々SUSHI職人を目指す外国人生徒が増えているという。
美容師
美容師というのも、世界のどこにいてもニーズの高い職業である。特に日本人はできれば日本人に切ってほしいのだ。
海外生活で元美容師という友だちが近くにいるときは凄く助かった。安く切ってもらえるし、細かい指示をつたえられる。(本人も稼げるのがわかっていて、ちゃんとハサミ持参で海外にきている。)
現地の床屋・美容室に行けばいいじゃないかと思うかもしれないが、実際は行きづらい。なぜなら、彼らはヘタだから。ヘタというよりも、繊細な日本人の肥えた目に叶わない。
「後ろと横は刈り上げて、上はちょっとだけすいてもらえばいいかなぁ」などと英語で細かい説明も難しい。だから、日本人の美容師は需要がある。実際に、現地に何十年と住んでる日本人も髪だけだは日本人に切って貰っている人が多い。
美容師側としても、日本人からの予約でいっぱいになるので仕事に困らない。
まぁただこれは、僕が暮らしてきたオーストラリアやニュージーランドはそれほどオシャレ先進国でもないので、特別な事情だったのかもしれない。
ブログ
ここに「ブログ」と書くと流行りの「自称プロブロガー」の増殖のキッカケになり兼ねないので書くか迷ったが、やはりメリットはあるので書いておく。
「世界で通じるスキル」ではないが、Web系スキルと同様に世界中どこにいても稼げる手段であることに違いはない。僕も副収入を得るためにこうして実践している。
実際に世界を旅しながら世界各地の旅情報を発信しているブログや、海外在住の人が現地の生活情報を綴るブログなどもたくさんある。日本語による海外現地情報は比較的まだブルーオーシャンでもあるため、ニッチとはいえ情報の価値は高い。そして良質な情報を発信しているブログの多くは、やはりGoogle Adsenseのネット広告やアフィリエイトによって収入を得ている。
今現在の「素人でもブログでそこそこ稼げる時代」の終焉は常に意識しておかなくてはいけないけれど、少なくとも現時点では、世界で稼ぐための手段の一つではある。
英語
英語ができれば世界中を一人で歩ける。英語圏はもちろん、ヨーロッパやアジアどこにいっても「英語=世界共通言語」という認識に間違いはない。旅先で母国語が通じない者同士が会話するとき、まず口にする言語は英語である。
しかし英語は、この記事のタイトル「世界で生きるためのスキル」には該当するが、「世界で稼げるスキル」ではない。ここは強調しておきたい。
日本国内にいれば、「英語できます」といえば多少価値はあがる。しかし海外では英語ができることは武器にはならない。英語は単なる手段だからである。できなければ不利になるだけだ。
また、翻訳者や通訳者でもない限り英語単品では勝負できないことも理解しておこう。これは日本国内でも同じ。なので、IT+英語、料理+英語のように常に「◯◯+英語」のセットのスキルでないと勝負にならない。
逆に、下の過去の記事でも書いたが、多少英語が拙くても高い専門性があれば世界で戦える。
翻訳のスキルがある人はWeb系スキルと同じで、世界中どこにいてもPC1つあれば仕事をすることができる。僕の知り合いにもいるが、海外在中で日本の会社から翻訳の仕事を貰っている人は多い。
最後に
ここで挙げたのは限られたものである。僕が自分の見える範囲の中で語っているだけで、他にも世界で通じるスキルはたくさんある。例えば、写真やマッサージ、絵描きなども腕が良ければ海外で通用するスキルの一つかもしれない。
これから先海外を考えている人や、まだ何かを決めていないが何か技術を身につけたいと考えている人には、上にあげたスキルを選択肢に入れてもいいだろう。汎用性の高い技術と英語があれば、世界に繋がる。