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【首都スポ】

高校生ラガーメン、王国NZへ留学 3週間で同世代から刺激&成長!

2016年9月17日 紙面から

関東高校スーパーリーグ留学選手団=渋谷区のNZ大使公邸で(大友信彦撮影)

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 未来を担う若者たちが、今年もラグビー王国で夢の時間を過ごした。2年前から行われているニュージーランド(NZ)政府企画によるラグビーと英語の留学プログラム「ゲーム・オン・イングリッシュ」に、今年も関東高校スーパーリーグの12校から1人ずつ、12人が参加。NZ北島のハミルトンで3週間の留学を経験してきた。今月14日に東京都渋谷区のNZ大使公邸で開催された帰国報告会には、同時期に同じく北島のオークランドに留学した女子のうち関東勢6人も出席。上達した英語とたくましく成長した姿を披露した。 (大友信彦)

 「イーーヤッハー!!」。ホールに大きな叫び声が響いた。場所は渋谷区のNZ大使公邸。始まったのは、ラグビーの世界チャンピオン、NZ代表オールブラックスが、重要なテストマッチのとき、自らを鼓舞するために踊り、相手を威圧する戦いの舞・ハカの「完コピ」。それを演じたのは12人の男子高校生だ。

 彼らは7月17日から8月7日までの3週間、NZ政府肝いりのラグビー&英語集中研修プログラム「ゲーム・オン・イングリッシュ」で、ラグビー王国に留学してきた選手たち。みな、留学中のラグビーや勉強の内容報告、感想などを英語でスピーチ。その仕上げとして「ハカ」を演じたのだった。

 「留学していた3週間は本当にあっという間でした。最初の1週間はちょっと長く感じたけれど、あとの2週間は本当に充実していて、あっという間に過ぎましたね」

 チームの主将を務めた明和県央の中野陽介(2年)は少し上気した顔で振り返った。留学先はNZでもラグビー熱の高い町のひとつ、ハミルトン。午前中は他国からの留学生に混じって英語を学び、午後は、日本代表のリーチ・マイケル(東芝)も所属するスーパーラグビー・チーフスのトレーニング施設も使って練習に打ち込み、NZ屈指の強豪高校、ハミルトンボーイズの1軍との合同練習も行った。

 「みんな同年代とは思えないほど、体が大きくてパワーがすごい。僕たちが押しても動かなかったスクラムマシンを軽々と押しているのには驚きました」

 もうひとつ刺激を受けたのはコミュニケーションの面だ。

 「初対面の僕らにも気さくに話し掛けてきたし、練習中もボールを欲しいということを大声ではっきり言う。1軍の選手ほどそうなんです。勉強になったし、それはすぐまねるようにしました」

 このプログラムは3年目で、関東高校スーパーリーグの留学生団は、農産物のフォンテラ社とニュージーランド航空というNZの二大企業のサポートを得て留学している。事務局代表を務める国学院栃木の吉岡肇監督は「経験をチームに還元させるため、参加は2年生または1年生の下級生が原則」と話す。

 「国栃では、おととし2年生で留学した子は翌年キャプテンになって、今年は明大に入って対抗戦の初戦に先発して活躍しました。去年の子は『ワイカト大に留学する』と言って、学校の勉強のほかに語学学校に通っています。文武両面で多大なる影響を受けて、経験をチームに持ち帰ってフィードバックしています」

 報告会では多くの生徒がメモを見ながら慎重にスピーチした中、顔をあげ、ジョークも交えながらそらであいさつしたのが桐蔭学園の佐々木隼(1年)だ。

 「昨日から一生懸命練習したけど、ちょっとつっかえちゃいました」と苦笑しながら、「向こうで、英語をしゃべる日本人を見て憧れたし、これから英語を勉強して、また留学したい。ラグビーでもNZの選手のようなスキルを身に付けたい」と目を輝かせた。

 NZでの経験は、ラグビーと英語の両面で、さらなる学びへの意欲、向上心を選手たちにもたらしたのだ。若きラガーメンが、世界の舞台に羽ばたく日はもうすぐだ!!

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 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。

 

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