蹴球探訪
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【格闘技】長谷川、5年5カ月ぶりに王座 35歳9カ月の国内最年長で3階級制覇2016年9月17日 紙面から
◇WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチスーパーバンタム級で長谷川穂積(35)=真正=が王者ウーゴ・ルイス(29)=メキシコ=に9回終了TKOで勝利。同バンタム級、同フェザー級に続く王座獲得で、国内4人目となる3階級制覇を達成した。バンタム級は王者の山中慎介(33)=帝拳=が、元WBA同級王者でランキング1位のアンセルモ・モレノ(31)=パナマ=に7回1分9秒TKOで勝ち、国内歴代2位タイとなる11度目の防衛を果たすとともに、リング誌の認定ベルトを手にした。 35歳の信じられない勇気だ。9回、長谷川はロープに詰められ、ルイスの猛打にさらされた。過去のKO負けシーンがよみがえり、会場には悲鳴が響く。だが「チャンスと思った」と本人だけは、こここそ勝機と見た。 相手の大振りは紙一重で急所を外す。宝刀カウンターが1、2、3発と突き刺さった。王者は血だるまになって後退した。会場は「ウオーッ」と地鳴りの声援に変わった。 ゴングが鳴っても戦意を失い立ち上がれない王者。その瞬間、国内4人目の3階級制覇を達成。王者は顔面骨折の疑いで試合後、病院送りとなった。 5年5カ月ぶりの世界王者返り咲き。小さかった子供たちは大きくなった。まな娘・穂乃ちゃん(10)とリングで勝利を祝う約束を果たした。中2の長男・大翔(ひろと)君に逆に抱っこされ「最高で〜す」と満点パパは何度も拳を突き上げた。 8月上旬、絶望に見舞われた。スパーリング中、左親指の付け根を脱臼骨折。8月3日に手術した。1カ月半後の試合など中止が妥当だった。だが手術翌日、長谷川はジムに現れた。「足は動く、右は動く、体はどこも悪くない」。山下正人会長に予定通り、試合出場を訴えた。 痛み止めの座薬を入れ、8月中旬にはスパーを再開。手負いの左を何度もルイスにめり込ませ、不利の予想を覆した。35歳9カ月、国内最年長世界奪取はまさに奇跡だった。 10月24日、最愛の母・裕美子さんの七回忌にささげるベルトを手にした。2014年4月23日の世界戦は母の誕生日だったが惨敗。2年5カ月遅れのプレゼントに「渡せて良かった」とリング上で感激をかみしめた。 試合前には「勝っても引退」の可能性を示唆していた。試合後は「終わったばかり。ゆっくりしたい」と話し、進退は今後熟考する。世界王者のまま引退はあるのか、ヒーローの決断に注目は集まる。 (荒木司) PR情報
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