[ニューヨーク/フランクフルト 14日 ロイター] - 独医薬品・化学大手、バイエル<BAYGn.DE>は14日、米農業関連・種子開発大手、モンサント<MON.N>を1株当たり128ドルで買収することで合意したと発表した。
債務を含む買収総額は約660億ドル。1株当たりの買収提案額をこれまでの127.50ドルからさらに引き上げ、ようやく合意にこぎつけた。
提案額は、書面で初めて提案を行う前の5月9日のモンサント株価に44%上乗せした水準という。買収は2017年末までに完了する見通しで、違約金は20億ドル。
買収資金は債務と株式の組み合わせで賄う方針で、株式部分に関しては強制転換社債と株主割当発行を通じて約190億ドルを調達する。金融機関が、570億ドルのつなぎ融資を行うという。
バイエルは今回の買収で、手続き完了後の1年間に1株当たりの中核的利益を押し上げるほか、押し上げ効果は3年目に2桁%に達すると見込んだ。
バイエルに出資するユニオン・インベストメントのファンドマネジャー、マーカス・マンズ氏は「バイエルの競合他社が経営統合を進める中、今回の買収合意がなければ、(バイエルは)競争上不利な立場に置かれる」と語った。
ただ、買収には紆余(うよ)曲折を予想する声も聞かれる。
米国やカナダ、ブラジル、欧州連合(EU)などの規制当局が時間をかけて、買収を精査する公算が大きい。モンサントのヒュー・グラント最高経営責任者(CEO)は14日、買収承認申請を約30地域で行う必要があるとの認識を示した。
バイエルの一部株主は買収提案額が高すぎて、自社の製薬事業軽視につながる恐れがあるとして、警戒感を示す。
Baader Helevea Equity Researchのアナリスト、ジェイコブ・スレーン氏は、バイエルの投資判断を「売り」とした。買収額が来年のモンサントの中核的利益見通しの16.1倍に達すると指摘。中国化工集団(ケムチャイナ)のシンジェンタ<SYNN.S>買収合意額の15.5倍を上回るという。
バーンスタイン・リサーチのアナリストらは、規制当局が買収を認める確率は5割と予想。投資家を対象にした一部調査では平均7割となっていることも指摘した。
同社アナリストらは調査メモで、供給業者が経営統合を進めることに農家が不満を示すなど、政治的な抵抗に直面すると予想した。
14日の取引で、バイエルの株価終値が0.27%高の93.55ユーロ、モンサントは0.62%高の106.76ドル。
*内容を追加します。
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