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【古森義久の緯度経度】
2025年までに「米中戦争」が起きると警告した報告書の危険な中身とは? 引き金は尖閣での日中衝突
▽中国の威圧攻勢に日本が防衛行動をとるうちに、両国の部隊が事故的にぶつかり、戦闘が拡大する。
▽中国が米国は尖閣紛争に軍事介入しないと誤算して、日本側に攻撃をかけ、結局は米軍の介入を招く。
しかし日本にとってさらに懸念の材料は同報告書が米中戦争での日本の役割や行動の「決定的な重要性」を以下のように述べている点だった。
▽中国は米国との大規模な戦闘となれば、日本国内の米軍基地を攻撃する確率が高く、その場合、日本は自動的に米中戦争に加わる。
▽中国軍は25年近くには戦力を高めているが、日本も潜水艦、水上艦、戦闘機、ミサイル、情報・監視・偵察(ISR)の能力を向上させ、米軍の総合戦力強化に寄与する。
▽北朝鮮が中国の同盟国として日本国内の米軍基地をミサイル攻撃する可能性も高く、その場合は日本は米国の同盟国としての立場を一層、鮮明にする。
以上の諸想定では日本の役割は米国を対中戦争で勝利に導くうえで決定的に重要だというのだ。
いずれもいまの安寧な日本にとって物騒きわまる悪夢のような想定だろう。だがそんな事態が同盟国の米国により真剣に考えられている現実は直視すべきである。(ワシントン駐在客員特派員)