翁長雄志知事は16日、違法確認訴訟の高裁敗訴を受けて県庁で記者会見し「あぜんとした。裁判所は政府の追認機関であることが明らかになった」と述べ、判決内容を強く批判した。

違法確認訴訟の判決を受け会見する翁長雄志知事=16日午後5時54分、県庁

 知事は判決に「地方自治、民主主義、三権分立という意味でも相当な禍根を残す」と指摘。「県民の間に、より大きい反発と結束がこれから出てくると思う」と述べ、判決への批判的世論が高まるとの認識を示した。

 知事は判決文が「(名護市辺野古の)新施設の建設をやめるには、普天間飛行場による被害を継続するしかない」として、辺野古移設が唯一の選択肢とする政府の主張を追認していると批判。「地方自治制度を軽視し、県民の気持ちを踏みにじる、あまりにも国に偏った判断だ」と述べ、政府と司法が一体化しているとの考えを強調した。

 最高裁の判断を「推測は控えたい」としつつ、確定判決に従う考えを示した。敗訴が確定した場合、承認の取り消しと異なる手段の「撤回」に踏み切る可能性について「今日まで私どもが検討してきたこと。十分にあり得ると思っている」と述べた。