「秋夕を忘れた人々」という韓国メディアの連載記事には、「秋夕の連休は就職準備生たちにとって“黄金アルバイト期間”だ。秋夕のような祝日にアルバイトをすれば、故郷に帰らない名分が立ち、休日手当てまでもらえる」と解説されていた。
実際に韓国のアルバイトサイト『albamon』の1014人を対象にしたアンケート結果でも、秋夕連休にアルバイトをしたいという人が81.5%に上っている。休日手当てがつくことなどが主な理由だが、「親戚などを避けることができるから」という理由も10.9%を占めていた。
経済的な不況から韓国大学生の就職難が叫ばれて久しいが、公務員試験などを目指す学生たちは、親戚から「他の仕事をやらないのか」「来年までには合格しないといけないのではないか」などと小言を言われるのを避けるために、アルバイトに走るようだ。
恋愛、結婚、出産、人間関係、マイホーム、就職、夢を放棄したということで“7放世代”などと呼ばれ、自国を“ヘル朝鮮”と呼ぶ一部の若者たちの本音からすれば、親戚からの小言ほど聞きたくないものはないのかもしれない。
いずれにしても韓国最大の祝日と呼ばれながらも、最近はわずらわしいと思う人が増加している秋夕。今年はなんのトラブルも起きず、多くの人が家族・友人・恋人たちと楽しく有意義な連休を過ごしてくれればと思うかぎりだ。
(文=慎 武宏)