インドがネパールへ復興支援 中国をけん制か

インドがネパールへ復興支援 中国をけん制か
インドのモディ首相が隣国ネパールの新しい首相と会談して、去年のネパールの大地震からの復興に向け、道路や鉄道の建設など大規模な支援を行うと明らかにし、ネパールへの影響力を強める中国をけん制する狙いもあるものと見られます。
インドのモディ首相は16日、首都ニューデリーで、先月就任したばかりのネパールのダハル新首相と首脳会談を行いました。会談のあと、両首脳は声明を出し、およそ9000人が死亡した去年の大地震からの復興に向けて、インドがネパールに対し、道路や鉄道などのインフラ建設のほか、保健や教育面での支援を強化することで合意したことを明らかにしました。

インドとネパールは、去年、ネパールで公布された新しい憲法で、インド系の住民が、自分たちの権利が十分保証されていないとして抗議活動を続けたのをきっかけに関係が悪化しました。

そうした中、ネパールに対し、中国が両国を結ぶ鉄道建設を行うことで合意したほか、石油の輸出を増加させるなど接近を図る動きを強めていました。このため、インド政府としては、ネパールへの大規模な支援を確約することで関係改善を図るとともに、影響力を強める中国をけん制する狙いもあるものと見られます。