Photoshopで使用するPSDファイルのサイズを少しでも減らしたいという時に使えるTipsをいくつか紹介します。あまり目新しいものでもなく普段からPhotoshopをよく使っている人であれば当たり前な内容も多いと思いますが、逆に普段から特に気にしていなかったけどファイルサイズを減らしたいという人は、いずれも簡単に取り入れることができる内容なので是非試してみてください。
簡単に取り入れることができる、PSDのファイルサイズを減らす5つの方法 目次
1. 全グループ・レイヤーを非表示にする
保存する際にすべてのグループ・レイヤーを非表示にすることで簡単にファイルサイズを減らすことができます。
グループやレイヤーが多数ある場合は非表示にするのが少し面倒に感じますが、以下の方法を一緒に覚えておくと便利です。
レイヤーパネルにある表示アイコンをドラッグしていく
グループやレイヤーの表示/非表示はレイヤーパネルにある表示アイコン(目のアイコン)をクリックして切り替えますが、これはわざわざひとつずつクリックをしていかなくても表示アイコン部分をドラッグして(なぞって)いけば一気に表示を切り替えることができます。
表示アイコン + ショートカットを使う
レイヤーパネルにある表示アイコン(目のアイコン)は単純にクリックするだけだと表示/非表示の切り替えですが、その際にMacならOptionを、WinならAltを押しながらクリックすることでクリックした以外のグループなどを非表示にすることができます。
あとは、先ほどクリックしたものを非表示にすればすべて非表示にすることができます。
全グループ・レイヤーをひとつのグループの中に入れておく
個人的にはこれが一番手っ取り早くおすすめで、デザイン作成スタート時の段階でまずひとつ親となるグループを作成し、今後作業していくグループ・レイヤーはすべてこの親グループの中に入れておけば、全体的な表示/非表示はこの親グループの表示を切り替えるだけで容易にできます。
また、上記以外にも有効利用できることがあり、レイヤーパネルでグループフォルダ横についてる矢印をOption(Mac) / Alt(Win)を押しながらクリックすることで、その中で展開されているグループやレイヤー効果などを一瞬で全て閉じた状態にすることもできます。
上記2つを組み合わせることで、グループやレイヤー効果などはすべて閉じられた状態でスッキリしていて且つ親グループを非表示してファイルサイズを減らしたPSDを作成することができます。
2. レイヤーパネルの先頭に単色レイヤーを配置する
こちらは先ほどのものよりさらに楽な方法で、方法としてはレイヤーパネルの先頭(一番上)に単色で塗りつぶしたレイヤーを配置するだけでファイルサイズを減らすことができます。
特に沢山のグループ・レイヤーがある場合は尚更便利に感じる方法で、上で紹介した方法でもある程度素早く非表示にするということが可能ですが、こちらの方がより手っ取り早くできます。
単色というのは特にこのカラーでないといけないというのはないようなので、黒や白だけでなく自分の好みの色で塗りつぶして配置して問題ないと思います。
(個人的に過去に試したことがあるカラーはいずれも減っていたのでこのように紹介していますが、もしこのカラーではダメだったなどあれば教えてください。)
ちなみに「1. 全グループ・レイヤーを非表示にする」もですが、この方法を利用することでファイルサイズを減らすことができますがプレビュー確認ができなくなるので、それは困るという人にはおすすめできないです。
3. 互換性設定を無効化する
こちらも上で紹介した方法と同様に簡単に取り入れることができるおすすめの方法で、ご存知の方も多いようにPhotoshopには多数のバージョンが存在することから互換性を設定する機能があり、互換性設定を有効化しておくことで下位バージョンのPhotoshopでも問題なく開けるPSDを作成することができます。
ただ、互換性をつけることでファイルサイズが大きくなってしまうので、確実に自分しか触らないとか共有するとしても他の人も自分と同じバージョンを使用しているというのであれば、互換性設定を無効化しておくことでファイルサイズを減らすことができます。
互換性の設定はメニューの「編集 → 環境設定 → ファイル管理」にある「ファイルの互換性」の部分で設定可能で、必要ない場合は常にオフにしてしまえば互換性を持たないPSDを作成できます。
もしくは、基本的には互換性いらないけどたまに必要になるという場合は、項目内で「保存時に確認」を選択しておけば保存時に互換性を持たせるかの確認メッセージが出るようになるので、PSD毎に互換性の有無を判断して保存するということが可能です。
4. 不要なものを削除する
当たり前のことですが、大量のグループやレイヤーで作られたPSDよりも少量のグループやレイヤーで作られたPSDの方がファイルサイズは軽くなります。
デザイン制作はああでもないこうでもないとやっているとあっという間にレイヤーが増えていきがちですが、結果的に使わなくなったレイヤーも非表示にして放置なんてことも少なくないと思います。
それをそのまま放置せずに、制作中であっても区切りがいいところでグループ・レイヤー整理の時間をとるとか納品・完成前にしっかりと整理することで、ファイルサイズを減らすだけでなく不要なものがない見た目も綺麗なPSDを作成することができます。
今後必要なのか、他のメンバーが使用するのか考えてみる
削除するかどうかを躊躇う場合は、シンプルに 今後このレイヤーは必要になるのか と 作成以降このレイヤーを再度利用したかどうか を考えてみてください。
もし、そうでないのであれば多くの場合必要のないレイヤーなので削除してしまいましょう。
また、そのPSDを自分だけでなく他のメンバーと共有する場合は、尚更そのレイヤーの必要性を考えてみましょう。
不要なレイヤーを削除してファイルサイズを少しでも減らしておくことで、アップロード・ダウンロードといったファイル共有時のストレス軽減にもなったり、PSDを開いた人に非表示になっているレイヤーの必要性を考えさせるということも回避することができます。
別PSDに移動する
どちらかと言えば必要ないけれど何らかの理由で削除まではしたくないという時は、いっそのこと基本的に作業するPSDとは別でPSDを作成し、そこに先述したような非表示だけど削除まではしたくないレイヤーのみを入れておくという方法もあります。
もちろん新しいPSDが増えてしまうということになりますが、主に作業するPSDは無駄なレイヤーもなくスッキリしますし、ファイルサイズを減らすことになります。
素材は必要最低限のサイズにする
カンパス以上の大きさで配置されているイメージ、クリッピングマスク等でパッと見は小さく表示されて見えていても実は大きいサイズのイメージを使用しているなど、必要以上に大きいサイズで配置されているものはなるべく必要最低限のサイズに切り取るなどしましょう。
今後表示位置やサイズを変更する修正がきたとしても柔軟に対応できるというのはありますが、間違いなく今後変更されることがないとか先述したような大きなサイズのイメージが多くの箇所で使用されているのであれば、場合によってはこれを行うことで大幅にファイルサイズを減らすことができます。
もしくは上で紹介した方法と同じように、主に作業するPSDとは別に素材用のPSDを用意してそちらに移動しておくといった方法も良いと思います。
5. レイヤーの結合やラスタライズをする
Photoshopにはデザイン制作時に役立つ様々な便利機能が用意されており、そのひとつがサイズ調整を容易に行えるとか後からカラー変更をしたくなった時も一気に適用できるスマートオブジェクトです。
ただ、スマートオブジェクトは便利な反面、多用すると単純なレイヤーに比べて大幅にファイルサイズが大きくなってしまいます…。
後々のことを考えてそのままにしておくことも多いですが、もし今後変更する可能性がないと思えるものやスマートオブジェクトでなくてもそこまで影響がないと判断できるようなものであれば、スマートオブジェクトをラスタライズしていくだけで大幅にファイルサイズが減ることもあります。
また、先述したように大量のレイヤーで作られているより少量のレイヤーで作られたPSDの方が当然ファイルサイズは軽くなります。
複数のレイヤーを利用して表現しているデザインなど、こちらも今後変更・修正等を行わないと判断できるようなものであればレイヤーを結合してしまいましょう。
以上、PSDのファイルサイズを減らす方法をいくつか紹介してきました。
いずれもいろいろなところで紹介されていたり、毎日のようにPhotoshopを使用しているデザイナーさんにとっては当たり前のことばかりかもしれませんが、PSDのファイルサイズを少しでも減らしたいときはいずれも簡単に取り入れることができる方法だと思うので是非試してみてください。
また、紹介した以外にもこんな方法もあるというのがあれば教えてください :)