古庄暢
2016年9月16日17時40分
奈良時代の女帝・称徳天皇の寵愛(ちょうあい)を受けて「法王」の座に就いた僧・道鏡ゆかりの由義(ゆげ)寺があったとされる大阪府八尾市の東弓削(ゆげ)遺跡で、平城京(現在の奈良市)の興福寺と同じ文様の屋根瓦が出土した。八尾市文化財調査研究会が15日発表した。文献でしか確認されていなかった由義寺が実在した可能性が高まったとしている。
調査研究会は昨年12月に発掘を開始。中世以前の整地層から、奈良時代後半(8世紀後半)の瓦など約3万点が出土した。奈良時代の井戸も見つかったが、同時代の建物跡はまだ確認されていないという。
軒先部分を飾る軒丸瓦(のきまるがわら)と軒平瓦(のきひらがわら)を奈良文化財研究所(奈良市)の資料と比較したところ、4点の文様や傷が同時期に興福寺で使われた瓦と完全に一致し、同じ「笵(はん)」(木型)で作られたと分かった。東大寺の瓦と文様がほとんど同じ瓦も多数あった。当時の中央政府が関与してつくられた寺院が付近にあったことを示すものという。
由義寺は「続日本紀」などの文…
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朝日新聞社会部
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