<今回の目次>
- はじめに
- メモ書きと勉強という最強の組み合わせ
- どうやって勉強しながらメモを書くのか?
- 勉強メモのコツ
- なぜメモ書きと勉強を組み合わせると上手くいくのか?
- 新たな概念や知識を習得することの難しさ
- 終わりに
はじめに
今回は、ゼロ秒思考のA4メモ書きを「勉強」に応用する方法を紹介したい。勉強といっても、学校の勉強、資格試験の勉強、趣味で始めた中国語の勉強、最近買った電子機器の使い方の勉強、時間のかかる技術書を用いた勉強など、様々である。しかし何かを新たに学ぶという意味では同じである。そういった場面で、ゼロ秒思考のメモ書きを使うことは、非常に役立つのだ。
前提としてゼロ秒思考のA4メモ書きが難なくこなせるレベルに達している必要がある。「ゼロ秒思考って何?」という人、メモ書きを一日10枚以上書くことが習慣になっていない人、1枚に2分以上かかってしまう人は、次の記事を参照して、鍛えてからこちらの記事に戻ってきて欲しい。
ゼロ秒思考メモを書きまくる!〜考えずに書き続けるコツ〜 - toricago
ゼロ秒思考マニアが紹介する、メモを何が何でも1分で書くコツ - toricago
「ゼロ秒思考1.0」から「ゼロ秒思考2.0」の時代へ - toricago
メモ書きと勉強という最強の組み合わせ
何かを勉強しないといけない時に、メモ書きは強力な武器となる。例えば、簿記を初めて勉強しているとしよう。もしかしたら簿記の資格試験に向けた勉強かもしれない。そこで、ある参考書を読んでいるのだが、途中でわからないことがだんだん増えてくる。
などだ。最初は良いが、だんだんあやふやになっていく。気付けばわけがわからなくなり、その章の最初まで戻ってもう一度やり直す、ということが起こりやすい。これだとゆっくりしか進んでいかない。勉強のセンスがある人にこんなことは起こらないかもしれないが、私は良くこうなる。「やっぱり独学は難しいのか?もっと良い参考書があるのでは?自分はこの分野に向いていないのでは?」と余計な心配事をしてしまう。
しかし、あるとき普段のA4メモ書きの癖が勉強中にも出てしまった。計算用紙や解答用紙に「なぜ〇〇なんだ?」と書き出して、そのままどんどんゼロ秒思考メモ書き風に書いていたら、理解が格段に深まったことがあった。これをきっかけに、勉強中もどんどんメモを書くようになった。
メモ書きを導入することで、勉強の理解度が上がる。誰に教わるわけでもないのに、勉強自体もどんどん上手になっていく。今回はこの手法を詳しく紹介していきたい。
どうやって勉強しながらメモを書くのか?
ポイントとなるのが、「わからない」「わかるけど、モヤモヤする」「ピンと来ない」「どうしてこのように定義するのか」などの感情が浮かんできたら、それを見逃してはならない。「まぁいっか」と次に進むと、そういう些細な理解不足が後で足を引っ張ることになり、何度も反復演習をするまで理解できないという状況を生み出してしまう。
そこで、そういった「わからない」「モヤモヤする」などの感情が発生したら、瞬時にメモを書くようにする。「なぜわからないのか?」は私が最も利用するタイトルだ。そうすれば、より具体的に思考が進んでいく。
Aがわからないのはなぜか? 2016/08/20
・Aの定義をもう一度、読んでみたが、それだとBはCになるはずではないか?
・なのに、なぜココではBはDになると書いてあるのだろうか?
・何か見逃していることがあるのだろうか?
・Aの具体例をもう一度読んでみるべきか?
・CとDの違いは何か?
など、具体的に何をすれば良いのかが見えてくる。一見、当たり前のことばかりで、「わざわざメモを書く意味があるのか?」と不思議に思う人もいると思うが、「わからない!」というのは結構、脳にとって不快な状況でついつい先送りしたくなる。それが積もりに積もると「何が分からないか分からない!」という最悪の状態に達する。こういう思考停止な状態になると前に進めなくなる。そこで上記のようなメモを書きながら勉強を進めていくことで、しっかり理解しながら進めることが出来るのだ。
勉強メモのコツ
普段のゼロ秒思考メモでは、一枚一分、A4、横書き、一枚4行〜6行など細かい設定に拘っていると思うが、勉強の場合はその必要は必ずしもない。例えば簿記の計算問題を解いている計算の途中に、「あれ?これはどういう意味?」とか考えたことをどんどん書き込むのだ。フォーマットなどは一切気にしなくて良い。図や数式もどんどん書く。
例えば「ROEとROAって何が違うのか?」というメモなら、その定義をそれぞれ書き出したり、違いを考察しようとして、数式や矢印、具体的な状況を考えるためにぐちゃぐちゃに書きまくる。
教科書や参考書の中に直接書き込んでしまうことさえある。私の場合は「これはすごい!」とか「これ、わからない。なぜだ?」とかどんどん書き込んでいる。
なぜメモ書きと勉強を組み合わせると上手くいくのか?
勉強するというのは、新たに何かを理解しないといけないということである。勉強をしている人間は、その世界を知り尽くした人間が提供してくれた言葉(参考書)に従って、その世界を歩き回らなければならない。その世界では色々と試行錯誤の上に出来上がったルールがたくさんある。それを短期間で学んでいかねばならないのだ。
初めてその世界に足を踏み入れた人からすると、全てが似たような概念や定義に聞こえる。でも、それらをしっかりと納得しながら吸収していかなければ、単なる丸暗記になり、後でまた勉強し直さないといけなくなってしまうのだ。参考書にはすべてに対して深く解説しているわけではないので、そこは自分で行間を埋めなければならない。特に資格試験の参考書に顕著であるが、「なぜ?」の部分はほぼカットされていると思って良い。
参考書や教科書の行間を埋めることは、若い頃は学校や予備校の先生に任せていたことが多かったが、ビジネスパーソンになると先生に頼れなくなるし、高額なセミナーに頼るのもばかばかしい。自分で行間を埋めて、自分で考える力をつけるべきであるが、それにゼロ秒思考メモはもってこい、なのだ。
新たな概念や知識を習得することの難しさ
ゼロ秒思考のA4メモ書きには、脳のメモリの小ささを補完するという意味がある。例えば54と13のかけ算を頭の中で計算して欲しい。
少し考えてみよう。
たぶん、時間がかかるでしょう。でも、計算用紙を使っても良ければ、瞬時に答えを導けるはずだ。このように、頭の中で考えようとしたら大変難しい話でも、書き出しながら考えていくとすぱっと理解できてしまうことが多々あるのだ。新たな概念や知識、科目や分野を勉強するというのは、非常に大変なことである。脳のメモリを一杯にしてしまう。なので、せっかくゼロ秒思考のメモ書きに慣れているのであれば、それを使わない手はないだろう。我々ゼロ秒マニアは、どんどんメモに吐き出しながら考えていくべきだ。
終わりに
ということで、ゼロ秒マニアのために、勉強方法を紹介した。資格試験の勉強に限った話ではなくて、別の会社に転職した場合にその業界について色々と本を読んで勉強したり、新たなソフトウェアをインストールしてその使い方を勉強したりするなど、「勉強」っぽいことにはすべて応用できる。何かを学んでいる人は、是非試してみて欲しい。