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【大リーグ】

岩隈、メジャー自己最多のシーズン16勝 日本人5人目

2016年9月16日 紙面から

ピンチ招くも立ち直った岩隈(社英夫撮影)

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◇マリナーズ2−1エンゼルス

 マリナーズの岩隈久志投手(35)は14日、敵地でのエンゼルス戦に先発し今季最多タイの3与四球、4回以外は毎回走者を背負いながら6イニング1/3を5安打1失点と粘投。メジャー日本投手で史上5人目、2014年のメジャー自己最多を更新する16勝目(11敗)を挙げた。青木宣親外野手(34)は、先制打点付きの安打がビデオ判定でアウトに覆るなど4打数無安打。6試合ぶりで快音がなかった。2−1で競り勝ったマ軍は2013年7月以来の8連勝で、ポストシーズン(PS)進出圏のワイルドカード(WC)2位に1・5ゲーム差とした。

 百戦錬磨の経験値が最大のピンチで生きた。岩隈は3回、連打からスプリットがワンバウンドの暴投になり、先制を許した。並の投手ならば一気に崩れかねないところで、時事電などによれば、「(暴投の後は)もう1点もやりたくなかった。それくらい全力でいった」。なお2死一、二塁。打ち気満々の通算589本塁打、プホルスを相手にあえて時間を掛け、内角91マイル(146キロ)直球で中飛に仕留めた。

 「簡単にストライクを取りにいってはいけない場面。打者が打ってくるだろうという中で、厳しいところに投げて、自分の投球ができた」。岩隈は納得の表情で、サービス監督も「3回は意識的に試合のペースをスローダウンした。パニックになってもおかしくない場面で、じっくり攻めて投げ切った」と球団公式サイトに語った。

 7回途中まで最少失点に抑え、メジャー日本投手で史上5人目の16勝。過去の達成者は1996、02、03年とドジャースで3度達成した野茂英雄、08年レッドソックスで18勝した松坂大輔(現ソフトバンク)、12年ヤンキースの黒田博樹(現広島)とレンジャーズのダルビッシュ有だけだ。岩隈は「一つでも多く勝てるというのはうれしいこと」と素直に喜んだ。

 チームも3年ぶりの8連勝。PS進出への最後の椅子はWC2位で、連勝前は6ゲーム差の同8位から、1・5ゲーム差の同4位まで急浮上だ。「最後まで諦めず、みんなで一丸となって戦ってポストシーズンに行けたらいい」と岩隈。15年ぶりの10月の舞台、そして球団初のワールドシリーズに向け、35歳の右腕が水先案内人として水兵(マリナー)たちを引っ張る。

 

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