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【プロ野球】

大谷、日本最速更新の164キロ まさかその球を糸井に痛打

2016年9月14日 紙面から

日本ハム−オリックス 3回表1死二、三塁、プロ野球最速となる球速164キロを記録した日本ハムの大谷(中本翔撮影)=札幌ドームで

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◇日本ハム4−2オリックス

 日本ハムが逆転勝ちで首位を守った。0−2の4回に近藤の中前打で1点差とし、中田が中越えに同点二塁打。7回には中島の2点二塁打で勝ち越した。3番手バースが8勝目。オリックスはクライマックスシリーズ進出がなくなった。

    ◇

 出た! プロ野球最速! 日本ハムの大谷翔平投手(22)が13日、オリックス戦(札幌ドーム)に先発し、球速164をマーク。自身の持つプロ野球最速記録を1キロ更新した。5イニングを87球、2失点。大谷に白星はつかなかったが、試合は4−2で勝った。

 二刀流・大谷が新たな1ページを刻んだ。衝撃の1球は3回、1死二、三塁。糸井に投げたこの試合39球目だった。詰まりながらも右前へ落とされ、先制の2点適時打となった。だが、スコアボードには自身の日本最速を更新する164キロが表示されていた。

 「逆球でイメージ通りではないですし、結果的に打たれているのでよくはなかった」。素直には喜べない最速球を、大谷は淡々と振り返った。高校時代には160キロを計測した。プロ2年目の2014年には球宴の晴れ舞台で162キロ。今季は6月5日(巨人戦)で163キロの日本最速を更新し、同12日(阪神戦)、9月7日(ロッテ戦)でも163キロを投げていた。

 5イニングを87球。右手中指のマメの影響で、マウンドから遠ざかっていた投手大谷。7月24日以来の復帰戦となった前回(7日)の38球より球数は増えた。「最低限、試合をつくることはできた」。4回以降も危機を招いたが次の1点は許さない。4安打、9奪三振。エースの意地が垣間見えた。

 最速更新は、降板後に知った。「そこ(球速)が中心で投球が成り立っている部分もあるが、もっともっと改善しないといけない。そっちの方が重要」と話す。球速とは才能だが、それだけで勝てないことを知っている。162キロを出した14年オフ。当時は現役だった山本昌との対談が実現した。右腕と左腕。162キロと130キロ。年齢差は29あり、何から何まで違うレジェンドを、大谷は質問攻めにした。

 「どうやったら球を早く見せられるんですか?」。球速に球質がくわわれば、無敵だということに気付いていた。山本昌の答えは「どこで球をたたくか。それが大切だよ」だった。上からたたき、前で放す。50歳まで現役で投げた左腕は、極意を授けつつ、大谷の礼儀正しさと探究心に舌を巻いた。

 二刀流で出場を続ける中で「万全の状態でいくのは難しい。その中でしっかりやらないといけない」とも。ただ栗山監督が「バランスはよくなっている」と話すように一歩一歩、復活へは近づいている。次回登板は21日。激しく優勝を争っているソフトバンクとの直接対決だ。球数制限は撤廃される。当てさせない164キロを−。投手大谷の進化と真価が問われるマウンドだ。

 

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