豊洲新市場の水がたまる地下空間、報道陣に公開
盛り土問題で揺れる東京・豊洲の新市場。最大の焦点となっている地下空間に、初めてJNNのカメラが入りました。
豊洲新市場で土壌汚染対策の盛り土が一部行われず、地下に空間ができていた問題。東京都は、16日、この空間を報道陣に公開しました。
まず向かった先は、水が最も深く溜まっている青果棟。建物内部の壁や柱などはほとんど完成していました。青果棟の1階にある記載には3階、2階、1階とありますが、地下の表示はありません。報道陣は、表示のない地下の階層へと向かいます。入ってみると、水臭いというか、独特の鼻をつんと刺すような臭いがします。天井のはりの部分、かなりの水滴があるのがわかります。結露でしょうか。
水はいったいどこからきているのでしょうか。指を入れてみると、やはりちょっとヌルヌルします。記者がペーハー紙を水に入れようとすると、都の職員に遮られました。水中を撮影すると、砂利の部分で濁っていますが、カメラがすっぽり入る程度の深さはあります。深いところで、くるぶしまで埋まるほど溜まった水。水質に問題はないのでしょうか。
同じ現場には15日、東京維新の会・柳ヶ瀬都議も視察に入りました。
「(水は)下から出てきていると」(柳ヶ瀬都議)
「それはないです」(職員)
「え?」(柳ヶ瀬都議)
「下からではなくて」(職員)
「下からではない?」(柳ヶ瀬都議)
「ない・・・、ないということを考えているが」(職員)
「ここに水がありますね」(柳ヶ瀬都議)
「そのとおりです。こういうものがありまして、これが下に溜まったものと考えている」(職員)
JNNは、都議が現場から採取した水を簡易検査キットで調べてもらいました。すると・・・
「水道水を対象としたものだが、少なくとも飲めるレベルではない」(柴田科学 佐々木洋氏)
水道水よりもはるかに高い濃度の亜硝酸が含まれていることがわかりました。ほかにもアンモニウムが高い数値を示し、その水質はというと・・・
「一般河川でいうと、アメリカザリガニとか、タニシが生息するような汚れた川に相当するかと思う」(柴田科学 佐々木洋氏)
ただ、東京都が13日から進めている検査では、工事前に現場から検出された発がん性物質のベンゼンは、現時点では、環境基準を超える水準で検出されていません。都は引き続き、有害物質が含まれていないか調査を行うとともに、地下にたまった水が、雨水なのか、地下水なのか、専門家とともに分析する方針です。
都民1300万の新たな台所・豊洲新市場は、安全と言えるのでしょうか。17日には、小池知事が再び召集する専門家会議が会見を行い、地下空間の安全性などに関する今後の調査について方針を示すものとみられます。(16日16:43)