虐待死の乳児 70%は母親が妊娠望まず

去年3月までの1年間に、虐待を受けて死亡した子どものうち、1歳未満の乳児では、70%の母親が妊娠を望んでいなかったことが厚生労働省の分析でわかりました。
厚生労働省によりますと、去年3月までの1年間に、虐待を受けて死亡した18歳未満の子どもは、無理心中を除いて全国で44人でした。このうち、1歳未満の乳児は、前の年より11人多い27人で、全体に占める割合は初めて60%を超え、調査を始めた平成15年以降で最も高くなっています。

さらに、厚生労働省が詳しく分析したところ、虐待によって死亡した27人の乳児のうち、70%に当たる19人では、母親が妊娠を望んでいなかったことがわかりました。こうした母親の多くは自宅など病院以外で出産し、そのまま放置していたということで、なかには、育児に関する不安や精神障害を抱えていたり、夫などから暴力を受けたりしていたケースもあったということです。

厚生労働省は「望まない妊娠をした女性を支援するため、助産師や保健師などが、妊娠から子育てまでの相談を一括して受け付ける窓口を全国の保健所などに整備したい」としています。