個人店から大手チェーンまで、居酒屋でお酒を注文すれば最初に提供されることが多いのが「お通し」です。価格は300~500円ぐらいのことが多く、ちょっとした煮物や漬物など内容は店舗によって様々です。
注文ぜずとも代金を取られることもある「お通し」ですが、そもそも注文していないのに店側が出してきたものに対して、支払いの義務があるのでしょうか。
お通しで外国人客とのトラブルも
事前に店員が客に「お通しはいりますか?」と確認してくるならともかく、何も言わずに勝手に卓の上に出てくることもあります。
「お通し」の制度を知らない外国人が会計時に店側とトラブルになることが多くあります。
そもそも「お通し」とは
本来は客が注文した品を待つ間に、酒のアテに出した気遣いの一品です。もう一つの顔は「店の大切な収益源」です。出すだけで300~500円の売り上げになります。
多くの店がメニューで値段を明らかにせず、会計に上乗せしているのが実態で、お客が払う飲食代金の約10%を占める、経営上で重要なものとなっています。
実は支払い義務はない
頼んでもいない飲食物が勝手に出てきて、それを食べたくない場合には断りましょう。
断れば当然、その代金を支払う義務はありません。契約は成立していないからです。
食べたら契約成立
入店時の説明、あるいはメニュー等で『お通し注文が義務づけられている』または『お通しが必須のセットになっている』場合には、お通し料金の拒否をすることはできません。
嫌ならば入店をやめるか、飲食をやめてお店から出ていけばよいのです。
説明や記載がない場合は?
事前に説明がない場合は話が違います。お通しについて客は申し込みをしていないので、承諾していないので契約が成立していません。
注文もしていない食べ物が出てきたら、『注文していない』といえば済むということになります。
見直しの動きも
1993年の開店から高級日本料理店で通っていた東京都港区のある飲食店は、リニューアルを機にお通しを廃止しました。
「より多くのお客様に来ていただくのに、前のシステムは通じないと考えた」そうです。
全国500店舗を展開する居酒屋チェーン店も、メニューにお通し代金を明記しています。店によっては数品を準備し、好みを選べるそうです。もちろん客が断れば料金も取りません。
事前に確認しよう
数百円のために訴訟を起こす人はあまりおらず、実際には払ってしまった方が安上がりです。
トラブルにならないためにも、お店に入る前に最初にきちんと確認しておく方がよいでしょう。
以上、意外と知らない事実!居酒屋のお通し代金は支払う必要は無かった…でした。