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有識者会議設置へ 安倍首相、臨時国会で表明

 安倍晋三首相は15日、26日召集の臨時国会の所信表明演説で、天皇陛下の生前退位に関する有識者会議の設置を表明する意向を固めた。早ければ来月中に会議を発足させ、その議論を踏まえて政府方針を決定する。来年の通常国会で生前退位を可能にする特別法の整備を目指す考えだ。

 政府関係者は15日、「重要な案件なので有識者会議は必要だ」と語った。陛下は先月8日に生前退位の意向を強くにじませるおことばを表明。これを受けて政府が検討に入れば、天皇が国政に関わったとして憲法上の疑義が生じる恐れがある。こうした疑義を避けるためにも、国民の代表から意見を聞く有識者会議の設置が必要と判断した。憲法学者や皇室制度、歴史に関する研究者などを念頭に人選を進めている。

 ただ、会議の位置付けについては調整中だ。生前退位の実現に向けて一定の結論を求める案や、専門家の意見表明を政府が方針を決定する際の参考にとどめる案などがある。

 政府は「制度そのものを改正するのは困難だ」(政府関係者)として皇位継承について定めた皇室典範の抜本改正は見送り、今回に限って生前退位を可能とする特別法での対応を検討している。【真野敏幸】

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