【ニューヨーク=高橋里奈】国連の潘基文事務総長は14日、第71回国連総会の開幕に伴い開いた記者会見で「国際社会は難民や移民に対する責任を分かち合う精神に基づき、団結しなければならない」と述べた。19日に開く「難民・移民サミットで採択される宣言は大きな一歩となる」とし、世界の首脳や閣僚とともに難民問題の解決に取り組むことを強調した。
21日には地球温暖化対策「パリ協定」の早期発効を目指す会合を主催するとし、すべての国に気候変動問題について責任を持つよう促した。また北朝鮮の核実験については「安全保障理事会が迅速に必要な行動をとるべきだ」とし、北朝鮮に挑発行為を控えなければならないという「強いメッセージを送ることが重要だ」と訴えた。
潘氏は26日にコロンビアを訪れ、半世紀にわたり対立した政府軍と反政府組織の和平合意の署名に立ち会うことも明らかにした。
年末に退任する潘基文氏にとって、今年の国連総会は10年の在任期間で最後の総会となる。「(貧困や飢餓の撲滅を目指す)持続可能な開発のための2030アジェンダの採択やパリ協定、(女性の地位向上を目指す)UNウィメンの創設は最高得点だ」と早くも自身の活躍を振り返った。