■最終日には満足度アンケート
名古屋で会った遼寧省出身の観光ガイド、王旭升氏は中国人客に「本当の日本を知りたければ、まずトイレへ行ってみて」と勧めた。富士山近隣の休憩施設で入ったトイレでは、空いている個室がモニターに表示された。トイレに着替え台や授乳室もあった。
旅行最終日には、バスの中でガイドが満足度アンケートの用紙を配った。空港から出国する直前までショッピングスポットばかりを訪れていた済州島のツアーと一番違う点だ。宿泊施設や食事に満足したかどうか、ガイドがオプションツアーに固執しなかったかどうか、望まないショッピングを強要されなかったかどうかなど、5項目が並んでいた。北京から家族と共に参加したという中国人客は「歴史問題や領土をめぐるあつれきで中日の溝は深いが、公共の場の清潔さや偽商品のない正直な商売に感動した」と語った。
■年間外国人客3000万人を目指す日本
外国人客の誘致実績を見ると、日本は2009年から14年まで6年連続で韓国に負けていた。1000万人の誘致も、韓国が日本より1年早く12年に達成した。だが、日本が03年に観光産業の活性化に向けてスタートさせた「ビジット・ジャパン」キャンペーンが、徐々に成果を出し始めた。ビザ発給要件の緩和、免税対象の拡大、円安などを追い風に、外国人客数はハイペースで増えた。
その結果、15年からは訪日外国人客数が訪韓外国人客数を上回るようになった。昨年の訪日外国人客数は1974万人で過去最高を記録した。日本は20年までに年間訪日客2000万人という目標を事実上、前倒しで達成し、今では3000万人を目標にしている。日本政府観光局の関係者は訪日外国人客が急増した理由について「短期的には円安、長期的には宿泊や偽物のないショッピングなどの観光インフラだとみている」と語った。