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【民進党代表選】
台湾メディア、冷ややかな反応 「在日台湾人に不満」の解説も
【台北=田中靖人】民進党の代表選で台湾人を父に持つ蓮舫氏が当選したことを受け、台湾の中央通信社は15日、「二重国籍論争を振り切り当選」とする記事を配信した。記事は、蓮舫氏が臨時党大会での決意表明で述べた名前の由来を紹介するなどした。ただ、「二重国籍」問題と異なり速報ではなく、関心は低いようだ。蓮舫氏と交流がある与党、民主進歩党も同日夕現在、当選についてコメントしていない。
蓮舫氏が台湾籍の放棄を表明した際、台湾では表向き、同情的な発言が相次いだ。だが、蓮舫氏が問題の過程で、1972年の日台断交後に台湾人が日本で置かれている複雑な状況について積極的に説明せず、即座に台湾籍の放棄手続きを取ったことには「台湾切り捨て」(識者)との声もある。
15日付聯合報は東京特派員の解説記事で、蓮舫氏が過去の雑誌記事で、父親を「中国人」と述べたことや、代表選期間中のインタビューで、日本国籍取得時に中国の国内法で「中国籍」を自動喪失したとの見方を示したことに対し、「日本在住の台湾人の不満を引き起こした」と指摘。日台の民進党同士の関係強化などは「台湾側が望むようにはならない恐れがある」と分析している。
法務省は14日、日本の国籍事務では「台湾の出身者に中国の法律を適用していない」とする見解を発表。2006(平成18)年6月14日の衆院法務委員会で、杉浦正健法相(当時)は、民主党(同)の枝野幸男議員の質問に答え、国際私法上、台湾籍の保有者には台湾の法律が適用されることを明言している。