キングコング西野さんとその絵本制作チームのメンバーで作った絵本「えんとつ町のプペル」を知っていますか?
現在、まだ発売1ヶ月前にもかかわらずアマゾンの絵本ランキングで1位になっていたり、クラウドファンディング開始一週間でなんと1000万円以上の資金が集まっているという異例の盛り上がりっぷり。
なぜそんなにも勢いがあるのか?
4年前から西野さんの動向を追ってきたファンのぼくが徹底解説します。
キングコング西野さん
西野亮廣 (にしの・あきひろ)
1980年兵庫県生まれ。1999年梶原雄太と漫才コンビ「キングコング」を結成。活動はお笑いだけにとどまらず、3冊の絵本執筆、ソロトークライブや舞台の脚本執筆を手がけ、海外でも個展やライブ活動を行う。
また、2015年には“世界の恥"と言われた渋谷のハロウィン翌日のゴミ問題の娯楽化を提案。区長や一部企業、約500人の一般人を巻きこむ異例の課題解決法が評価され、広告賞を受賞した。
その他、クリエイター顔負けの「街づくり企画」、「世界一楽しい学校作り」など未来を見据えたエンタメを生み出し、注目を集めている。2016年、東証マザーズ上場企業『株式会社クラウドワークス』の“デタラメ顧問"に就任
とにかくいろいろな活動をされている西野さん。その根底には「世界で一番オモシロくなりたい」「ウォルトディズニーを倒す」という野望があるそう。
エンタメを作り上げる手腕もさることながら実はかなりの戦略家で、そのメソッドが詰め込まれた魔法のコンパスというビジネス本も売れに売れています。
えんとつ町のプペル
ペン一本で描いたモノクロ絵本で世界を圧倒したキンコン西野が、業界の常識を覆す完全分業制によるオールカラー絵本!
「信じぬくんだ。たとえひとりになっても。」
おはなし)
4000メートルの崖にかこまれ、そとの世界を知 らない町がありました。
町はえんとつだらけ。
そこかしこから煙があがり、あたまのうえはモックモク。
朝から晩までモックモク。
えんとつの町に住 むひとは、くろい煙にとじこめられて、
あおい空をしりません。
かがやく星をしりません。
町はいま、ハロウィンまつりのまっただなか。
魔よけの煙もくわわって、いつもいじょうにモックモク。
あるとき、
夜空をかける配達屋さんが、煙をすってせきこんで、配達中の心臓を、うっかりおとしてしまいました。
さすがに視界はこのわるさ、どこにおちたかわかりません。
配達屋さんはさっさとあきらめ、夜のむこうへスタコラサッサ。
ドクドクドクドクドックドク。
えんとつの町のかたすみで、あの心臓が鳴っています。
脚本&監督:にしのあきひろ
参加イラストレーター・クリエイター総勢33名!
西野さんが手がけるこの「えんとつ町のプペル」という絵本。
今までも数冊の絵本を出版してきた彼が、今回はじめて世界初の「分業制」という形で、4年半もの歳月をかけて作り上げたのがこの作品なのです。くわしくは後述していきます。
ちょっとこの絵本の魅力を語らせてください。
絵のクオリティーがハンパじゃない
まず、絵のクオリティーが凄すぎるんです。
とにかく見てくださいこれ。
綿密な絵のタッチと色使い、細かいところまでしっかりと描き込んであり、その完成度に思わず「なにこれやばい」と唸ってしまいました。ぼくの知っている「絵本」のクオリティーをゆうに超えています。
制作背景
ここからが本題。この作品が出来上がるまでの軌跡です。西野さんは制作背景をお客さんと共有することによってみんなを巻き込んでいて、例に漏れずぼくもその一人(共犯者)でした。
絵を描きはじめたキッカケ
そもそも西野さんが絵を描き始めたキッカケから話すと、
当時はねるのトびらやゴールデン番組に多数出ているのにもかかわらず思ったほど自分が売れていないのを確認した西野さんは「これはヤバイ!」と思い「ひな壇に出ない!」と言い放ち急ハンドルを切ったんですよね。
つまりみんなと同じ土俵で戦っていても勝てないから、あえてみんなと違うことで勝負しよう!ということで自ら退路を絶ったんですね。誰でもできることじゃなくて、自分にしかできないことをやろうと。
それからひな壇を含むほとんどの仕事を断り、暇になった西野さんはタモリさんの提案で絵を描き始めます。「知名度があるから有利だ」と言われるのが癪だった西野さんは「どうせやるならプロの絵本作家に勝とう」と考えます。
そこで絵本作家に勝つにはどうしたらいいか?を探った結果、自分が絵本作家さんに勝っているのは「時間」だと。プロの絵本作家さんはソレで飯を食っているわけだから、ある程度のスパンで絵本を描いて出版しなきゃいけない。そうなると一冊の絵本に年単位の時間はかけられない。
そこに気付いた西野さんはすぐにイチバン細いボールペンを購入し、一冊の絵本にたっぷりと数年の「時間」をかけて作り上げることによって圧倒的な作品をつくり、しっかり届ける努力をし、ヒットさせています。これが現在のスタイルとなっています。
制作期間はなんと4年!
そんなこんなで今回の「えんとつ町のプペル」は、自身にとっても最長である4年半の歳月をかけてついに今年2016年の10月末に完成するのです。
それで今まで西野さんを応援してきた人たちや、新たにファンになった人たち、西野さんがお客さんをドキドキさせ、楽しませ、巻きこんで築きあげてきた「信用」がここで爆発し、クラウドファンディングの1000万円突破という結果につながっているのだと思います。
分業制の絵本を作ろう
この絵本はなんと分業制で作っています。絵本を分業制で作るというのはなんと世界初なのだそう。
というのも、映画や舞台というものにはちゃんと監督がいて、役者がいて、音楽プロデューサーがいて、映像担当がいて、そんな感じでさまざまな人が絡んで1つの作品を作るのに、なんで絵本ひとりで作ってるんだ? という疑問をもった西野さん。
そこで分かったのが「絵本はどうしても多くの売り上げが見込めないために赤字になってしまう可能性があるため一人で作るしかない」ということ。だったら思っきり赤字がでるような作り方をしよう!という逆の発想になったとのこと。すげえ。
そこで西野さんが作品の元となる絵コンテを描き、そこに各得意分野をもったイラストレーターさん総勢33名が関わり、ひとつの作品を作り上げることになりました。
1人で作った方が良いモノができるのであれば、1 人で作った方がいいし、100人で作った方が良いモノができるのであれば、100人で作った方がいい。
大切なのは『誰が作ったか?』ではなくて、『何を作ったか?』であり、お客さんが反応しているのは、『アナと雪の女王の監督』ではなく、『アナと雪の女王という作品』でしかありません。
資金はクラウドファンディングで!
今の時代は「クラウドファンディング」というものがあります。
これは何かというと、「これをやりたいけど資金が足りない」という人がプロジェクトを掲載し、出資者へのリターンを用意することによって一般の方々からプロジェクトを進めるための資金を集める(出資してもらう)こと。
このクラウドファンディングの登場により「お金がなくて出来ない」という人たちも想いと熱量によっては叶えることが出来るようになりました。
西野さんは今まで幾多のクラウドファンディングを成功させてきて、今回の絵本に関しても、圧倒的に赤字になることやその先にイメージしている景色をお客さんに共有し「みんなで作ろう!」というコンセプトのもと資金を集めることに成功しています。
そして今盛り上がっているのが、えんとつ町のプペルの出版にともなって、個展を入場無料で開催したい!というもの。このクラウドファンディングが他に例を見ないほどのスピードで資金が集まっており、
開始初日で目標金額の180万円を達成し、なんと2016.9.15現在、クラウドファンディング開始9日目にして1140万円が集まっています。まだあと41日間もあります。どうなっていくのか今からワクワクしています。
→ キングコング西野の個展『えんとつ町のプペル展』を入場無料で開催したい! - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
ぼくももちろん出資しました。リターンで完成した絵本ももらえるので、ぜひ支援してみてください。
ひっくり返す
ついに絵本が完成し、発売を1ヶ月半後に控えたこのタイミングで西野さんがこんな記事を書きました。
この記事は痛快でした。
みんなが行かない方向にハンドルを切った西野さんは「芸人のくせに」と今までたくさんの批判を受け、炎上し、それを応援しているファンの人たちも「なんで西野なんて応援してるの?」と肩身の狭い思いをしてきました。
ぼくも4年間そんな感じでして、「コッチのほうがオモシロくなるのに」と思いながら西野さんを応援していました。
そしてこの記事。
嬉々として僕を叩いていた方々には誠に残念なお知らせですが、皆様が面白がって、散々っぱら僕を叩いて、僕に時間を使っていた間、僕は皆様には1秒も時間を使っておらず、僕は僕に時間を使い続けました。
数年間、毎日のことなので、僕に時間を使った方々と、僕に時間を使い続けた僕とでは、もう随分と差が生まれてしまいました。
加えて申し上げますと、僕はあまり大人しい性格ではございませんので、もし、「水に流してくれるだろう」と思われていたら、それは大間違いです。
この数年間、僕は「知るか!」と跳ね返すことはできましたが、僕を支えてくださったファンの方々やスタッフの方々はそうではありません。
ずっと、ずっと、
「なんで、西野なんか応援してんの?」
と、なかなか肩身の狭い思いをしてきました。
僕は、僕のことを支えてくださる方々に、もう何年も肩身の狭い思いをさせてきてしまいました。
その間、ずっとずっと「大丈夫。面白いところに行けるから」と言い続けてきたものですから、ここで終わりにするハズがありません。
もひとつ言うと、
『夢を語れば潰される』という風潮を、僕は認めません。
このたび、
『えんとつ町のプペル』
という絵本が完成しました。
4年半もかかっちゃいました。
『分業制』という初の試みです。
この作品を作るときも、やはり
「一人で作れ!」
なんてコトをたくさんの方々から言われました。僕の作品なのにです。
嬉々として、叩いていた皆様へ。
おかげさまで準備は整ったので、今から、やり返しにいきます。
「やり返す」と言っても、これまで同様、皆様には1秒も使うつもりはありませんので、殴りにいくわけではなく、「置いていく」ということです。叩いたことを黒歴史にして差し上げるということです。
よく、「ウォルトディズニーを倒す」というと鼻で笑われるのですが、僕は、ポジショントークで発言しているわけではなく、伊達や酔狂でもなく、ゴリゴリの大真面目に言っているので、一歩一歩確実にその場所に向かいます。
『奇跡』と『ハッピーエンド』がお好きなので、そこに向かいます。
『えんとつ町のプペル』で全て、ひっくり返しますね。
覚悟しておいてください(*^^*)
ひっくり返しにいきましょう。
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ドキドキしています
エンターテイメントは人を幸せにすると思います。
それを本気で作りにいき、誰もやったことのないようなことに飛び込み、誰も見たこともないような景色を見せてくれる西野さんには、強固な太い繋がりをもったファンと、ニヤニヤしながら乗っかる阿保なヤツらがたくさんいます。
全力で応援しています。と同時に、ドキドキしています。未来はきっとイイトコロになる。
みんなで奇跡を起こしにいきましょう。
最後に、西野さんからのメッセージを。
4000メートルの崖にかこまれ、そとの世界を知らない町がありました。
町はえんとつだらけ。
そこかしこから煙があがり、あたまのうえはモックモク。 朝から晩までモックモク。
えんとつの町に住むひとは、
くろい煙にとじこめられて、
あおい空をしりません。
かがやく星をしりません。町はいま、ハロウィンまつりのまっただなか。 魔よけの煙もくわわって、いつもいじょうにモックモク。
あるとき、
夜空をかける配達屋さんが、煙をすってせきこんで、 配達中の心臓を、うっかりおとしてしまいました。
さすがに視界はこのわるさ、どこにおちたかわかりません。
配達屋さんはさっさとあきらめ、夜のむこうへスタコラサッサ。ドクドクドクドクドックドク。
えんとつの町のかたすみで、あの心臓が鳴っています。
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…絵本『えんとつ町のプペル』は、こんな文章から始まります。
えんとつ町に突如現れたゴミ人間『ハロウィン・プペル』が、煙突掃除屋の少年『ルビッチ』と出会い、『星』を探す物語。えんとつ町に住む人は、『星』の存在なんぞ一切信じおりませんので、当然、『星』を探そうとする二人を叩きにいきます。
黒い煙に包まれた『えんとつ町』というのは、つまり『現代社会』で、夢を見て、夢を語る人間を執拗に叩きます。
ゴミ人間『ハロウィン・プペル』というのは、夢を見て、夢を語り、その夢を実現しようと行動して、鼻で笑われ、叩かれ、あげ足をとられている『あなた』。
そして、主人公達は言います。
「信じぬくんだ。たとえ一人になっても。」『えんとつ町のプペル』は、『あなた』の物語。
『あなた』へ向けた応援歌です。
僕は見たことがない景色を見たいので、
見たことがない景色に挑もうとする人をバカにはしません。全力で公定します。
そんな人に、この作品が届くと嬉しいです。
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えんとつ町のプペルのクラウドファンディング
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