2日目からは工芸品の展示場、民俗村、海女の村、農水産物直売場など、行く先々でごった返す中国人の団体観光客たちを対象に販売行為が繰り返された。同日、記者と共にツアーに参加した中国人のシャナンさんは「民俗村と聞いて期待してきたが、肝心の村の見学には10分ほどしか時間がなく、30万-40万ウォン(約2万8000-3万7000円)もする馬の骨の粉を『膝などの関節の特効薬』と言って買うよう勧めてくるのはまるで話にならない。こんな旅行は中国では『ママタン(ママ旅行団)』たちがすること」と首をうなだれた。ママタンとは、旅行先でひどくぼられる40代以上の女性たちを指す言葉だ。韓国語で言えば「ホゲン」(扱いやすくおめでたい客の意)に似ている。
■宿泊施設も飲食店もいまひとつ
夕方6時ごろに宿泊先に到着したが、客室のカーペットには真っ黒のたばこの焼け跡が数多く見受けられ、床にはもつれた髪の毛がたくさん落ちていた。遊興施設が密集している場所にあるホテルには、夜になると歌声や酒酔い客たちのけんか声が部屋の中まで聞こえてきた。ホテルの入り口で出会った中国人の一行は「ホテルとは名ばかりで、これでは中国の『招待所(旅館)』も同然だ」と言い捨てた。匿名希望のソウルのある旅行会社の代表は「こうした商品はほとんどの旅行会社が航空券程度のお金だけを受け取る『残り物商品』で、観光客をそそのかしてはさまざまな方法で収益を補う」と説明した。
専門家たちは、観光客たちがまた訪れたい韓国をつくり上げるためには宿泊、飲食店などの観光基盤施設を育成していく必要がある、と指摘する。漢陽大学観光学部のイ・ヨンテク教授は「政府は観光業界がお土産店から受け取る謝礼金の額を明記するよう指導すべきで、これを通じて得た収入を税金として取り立てることができるよう制度を改善する必要性がある」と指摘した。