虐待死の子ども 6割が1歳未満 母親の支援が急務

虐待死の子ども 6割が1歳未満 母親の支援が急務
去年3月までの1年間に、虐待を受けて死亡した子どものうち、1歳未満の乳児の割合がおよそ60%とこれまでで最も高かったことが、厚生労働省のまとめでわかりました。分析した専門家は「経済的な問題や望まない妊娠によって出産から間もない時期に虐待してしまうケースが多く、母親への支援を急ぐべきだ」と指摘しています。
厚生労働省は毎年、児童虐待の詳しい状況をまとめています。それによりますと、去年3月までの1年間に、虐待を受けて死亡した18歳未満の子どもは、無理心中をのぞいて全国で44人でした。
このうち1歳未満は全体のおよそ60%にあたる27人で、前の年より11人多く、割合としては調査を始めた平成15年以降で最も高くなっています。
また、3歳以下では39人になり全体のおよそ90%を占めました。
さらに、全体の半数以上は実の母親から虐待を受けていて、なかには自宅などで出産したあと育児を放棄してしまうケースもあるということです。

分析した専門家は「経済的な問題や望まない妊娠によって出産から間もない時期に虐待してしまうケースが多い。出産前から子育てや生活に関する相談に乗るなど支援を急ぐべきだ」と指摘しています。