Windows 10導入時に気を付けたいポイントは?

[2016/09/15 08:00]徳原大 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

三井住友銀行らがWindows 10 Mobileスマートフォンを導入へ

もちろん、これだけの「Windows 10に変えるべき材料」が揃っていても、実際に乗り換えるとなれば気になるのは他社の事例だ。意外な、と言っては失礼だが、三井住友銀行や北國銀行といったシステム更新に躊躇しがちに思える金融機関が、すでにWindows 10への大規模転換を表明している。

高セキュリティを必要とする銀行だからこそ、ワンストップで統合管理できるWindows 10 Mobileという選択にいたったようだ

しかも両行に共通するのは「Windows 10 スマートフォン」の導入もすでに決めている点だ。特に北國銀行は、全2400名の行員にマウスコンピュータのWindows 10スマートフォンを配備する計画で、ディスプレイに繋ぐことで簡易的にデスクトップ環境を再現できるContinuum機能を用いて従来のPC環境すらも排除することも検討しているという。

「すでにSurfaceも導入していただいており、私たちもそこまでされるとなかなか大変ですが(笑)。でも、Continuumはまさにそうした環境を実現できるデバイスには変わりない」(浅田氏)。

アップデートサイクルが短縮化

Windows 10でほかに注目したい点は「アップデートサイクル」と「ライセンス」だろう。

Anniversary Updateの記事(Windows 10が大規模アップデート、法人向け機能のチェックポイントは?)でも触れたが、企業向けにはIT部門向けの最新化モデル「Current Branch(CB)」と一般社員向け最新化モデル「Current Branch for Business(CBB)」、ミッションクリティカルなシステム向けの固定化モデル「Long Term Servicing Branch(LTSB)」が用意されている。

これまでのIT環境では、OSのアップデートが数年スパンであり、動作検証作業なども業務PCの刷新などに合わせたタイミングで良かったものの、今後はAnniversary Updateのような1年未満の更新スパンに合わせて検証を行う必要が出てくる。

「アップデートをスルーすれば良いのでは」と思うかもしれないが、マイクロソフトがサポートするOS世代はこの大規模アップデートの最新2世代のみ。最新アップデートが公開された後は「60日の猶予期間を設けてある」(浅田氏)というものの、最長でも1年ごとに各種対応を迫られることになる。

もちろん、アップデートサイクルへの対応は、クラウド化やモバイル化といったトレンドに企業文化を合わせていくことにも繋がるため、デメリットよりも生産性向上に寄与する部分も大きい。ただ、現場で社内の情報システム資産をハンドリングする担当者からすれば、多大なコストと労力を伴うことは想像に難くない。

こうした課題もマイクロソフトでは認識しており、一般的に「腰が重い」とされがちな大手製造業が、Windows 10の導入を進めるために策定した検証計画を公開した。この例では、ミッションクリティカル度別にシステムを切り分け、度合いが低いものについては検証を行わず、高いものについてはテスト自動化ツールを使用して、大規模アップデート、サービス更新プログラムごとに検証するといった対策を講じる。

ミッションクリティカル度に応じて検証工程を変更している

サービス更新プログラムは、セキュリティアップデートがメインであるため、ミッションクリティカル度が中程度の場合には検証を行わず、あくまでOSの機能に関わってくるレベルの大規模アップデートのみ手作業で検証するといった対策を取るようだ。「この企業の例では、Inside Preview段階からWindows 10の検証を行っており、長期間の経験を踏まえての対応策となっている」(浅田氏)。

>>高セキュリティを売りにした新ライセンスも

関連リンク

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Windows 10導入時に気を付けたいポイントは?
日本マイクロソフトは9月7日、報道陣向けにWindows 10の法人ビジネス説明会を開催した。同社によれば、Windows XPのリプレース需要があった2014年4月以降の販売不振がここのところ改善されており、Windows 10がリリースから1年を迎えたことも合わせて再びPCに対するニーズが伸びているのだという。
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日本マイクロソフトは9月7日、報道陣向けにWindows 10の法人ビジネス説明会を開催した。同社によれば、Windows XPのリプレース需要があった2014年4月以降の販売不振がここのところ改善されており、Windows 10がリリースから1年を迎えたことも合わせて再びPCに対するニーズが伸びているのだという。

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