(cache) 鳥栖を短期間で強化したフィッカデンティ代表監督の噂に、本人もまんざらでもない？ : コラム

後藤健生コラム

2016年09月14日17:35

鳥栖を短期間で強化したフィッカデンティ代表監督の噂に、本人もまんざらでもない？

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Jリーグは来季から1シーズン制に戻ると報じられている。この報道が事実だとすると、昨季からスタートした2ステージ制とチャンピオンシップ制はわずか2年間で終わることになる。

昨季採用された新制度は、かつての2ステージ制時代に「年間勝点1位チームが優勝できないのはおかしい」という批判を意識して年間勝点を重視したものだった。年間勝点1～3位のクラブは無条件でチャンピオンシップに出場。そこに、各ステージ優勝チーム（年間勝点で3位に入れなかった）が参加するというのが現在の制度の骨子だ。つまり、ステージ優勝チームは一種のワイルドカード的な存在である。だが、昨季は両ステージ優勝チームがともに年間3位以内に入ったため、3チーム（サンフレッチェ広島、浦和レッズ、ガンバ大阪）だけのトーナメントとなった。さて、今季のチャンピオンシップは何チームでの戦いとなるのか？

ファーストステージ優勝の鹿島アントラーズがセカンドステージでは失速中なので、今後立て直しができなかったら年間勝点4位以下となるかもしれないから、こちらがワイルドカード第一号の有力候補だ。

一方、セカンドステージ好調だったサガン鳥栖がもし、セカンドステージで優勝できていたら、こちらも年間4位以下でのチャンピオンシップ出場ということになるところだった。

実際、鳥栖は第8節で年間勝点で首位を走る川崎フロンターレを破ってその強さを印象付けていたが、第11節では年間2位の浦和相手に果敢に挑戦したものの0対2で敗れてセカンドステージの順位も5位に下げてしまった。どうやら、鳥栖のチャンピオンシップ出場は難しくなってきたようだ。代わって浮上してきたのが、セカンドステージの3位、年間でも4位に順位を上げてきたガンバ大阪。こちらは、セカンドステージ優勝も年間3位以内もともに狙える位置に付けている。

さて、チャンピオンシップ出場は難しくなったにしても、鳥栖の躍進はセカンドステージでの最大のサプライズだった。

かつて尹晶煥（ユン・ジョンファン）監督時代には強力な守備を武器に上位を脅かす存在だったものの、昨季は54失点と守備が崩壊して11位に低迷した。

その鳥栖をわずか半年で立て直したのがイタリア人監督のマッシモ・フィッカデンティだった。昨季、堅守を武器にFC東京を過去最高の4位に引き揚げた手腕は本物だった。それも、ひたすら守ってカウンターというリアクション・サッカーではなく、しっかりとボールをつなげるスタイルで戦っての躍進だった。　敗れた浦和戦でも、前半の終了間際に立て続けに2点を奪われたわずか3分間を除けば、前半は明らかに鳥栖のリズムでの試合だった。