「もんじゅ」存続か廃炉か 政府方針決定に向け最終調整へ

「もんじゅ」存続か廃炉か 政府方針決定に向け最終調整へ
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安全管理上の問題が相次いだ高速増殖炉「もんじゅ」について所管する松野文部科学大臣は存続を前提に検討を急ぐ考えですが、政府内には廃炉を求める意見もあることから、菅官房長官、世耕経済産業大臣らと近く会談するなどして、政府の方針の決定に向けた最終的な調整を行うことにしています。
福井県の高速増殖炉「もんじゅ」は、使った以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」として1兆円以上もの国費が投じられ開発が進められてきました。しかし、安全管理上の問題が相次いだことから、原子力規制委員会は、平成25年に運営する日本原子力研究開発機構に対し事実上、運転禁止を命じたのに続き、去年11月には、当時の馳文部科学大臣に対し、原子力機構に代わる運営主体を特定するよう勧告しました。

これを受けて、文部科学省は、原子力機構から「もんじゅ」の運転部門を切り離し、ことし夏にも具体的な運営主体を示すとしてきましたが、現在に至るまで運営主体が決まらない状況が続いています。これについて、松野文部科学大臣は、存続を前提に検討を急ぐ考えを示したほか、菅官房長官は、「いつという具体的なスケジュールが決まっているわけではないが、速やかに結論をまとめたい」と述べました。

一方、エネルギー政策を所管する経済産業省は存続させた場合、新しい規制基準に対応するための耐震補強などで数千億円規模の費用がかかると見込まれるほか、再び稼働させるには長い期間を要し人材の確保も難しくなるとして、「廃炉にすべきだ」という立場をとっています。

このため、松野文部科学大臣は、菅官房長官、世耕経済産業大臣らと近く会談するなどして、「もんじゅ」の取り扱いについて最終的な調整を行うことにしています。