中国入国拒否
今月初旬の情報ですが、トルコに入国暦のある外国人は中国へ入国審査の際、拒否に会うという措置が発生した様です。
現在、中国へノービザで渡航ができるのは、72時間ルールを除けば、シンガポール、ブルネイ、日本の3カ国です。
トルコ入国履歴のある方は、あらかじめビザを取得するか、パスポートを再発行するなどの措置をお勧めします。
近年では同様の措置として、イラン、イラク、シリア、ソマリアなどに渡航した履歴のある旅行者はアメリカへESTAを利用した入国ができない(取り消し)という事が起きました。
この時は私もモロかぶりして、パスポートを再発行するヒマもなかったので、某国のビザを剥がしました。
この時はうまく剥がれ、跡も残らず(不自然でしたが)入国でも突っ込まれませんでした。
しかしいつバレるかと思うと、あまり手放しに喜べない状況でアメリカ滞在を終えました。
アメリカでは入庫審査はありますが、出国審査というものは無いので、パスポートの中身をまじまじと見られることはそうありません。
しかしその代わりというわけではありませんが、警察官に職務質問された時は、中身を見られます。
その時に不自然なものを見つけられると、鋭く突っ込まれたり、逮捕されたりします。
ずいぶん昔の話ですが、パスポートにホッチキスの針が残っており、それを見咎められ逮捕されそうになった事があります。
今回の中国の措置後でも、トルコ入国暦があり中国へノービザ渡航が成功した例が、友人から報告されています。
しかし中国の場合は、スパイ容疑で拘留されるケースがあり、日本人でもそのケースがあります。
今回の措置とスパイ容疑で拘留が直結するかと言われれば、限りなく低いのでは無いかと思われますが、0では無く真剣に対応策を考える必要があると思われます。
私も入国時に大きなトラブルに巻き込まれに入国拒否になったことがあります。
その時の実例(強制送還)も含めて、対策を考えてみました。
今回の入国拒否の原因は?
アメリカの例でも、中国の例でも、「反政府組織、国際的テロ組織が活動した国」へ渡航したことのある「外国人」となっています。
極端な言い方をすれば、イスラム教徒を嫌厭する世界情勢が一気に加速し、「わざわざイスラム教の国に旅行した不審な人は来るな」という事になります。
こう明言できれば各国政府も楽なのでしょうが、そのまま書けばただの差別になってしまいます。
国家安全保障のための出自による差別は存在しますが、明言したいのが一般的です。
また、一般論で言えば、日本はその対象外です。
侍や忍者がいた時代ならともかく、安倍政権がこのまま極右に進んだとしても日本を名指しで入国拒否する国は無いでしょう。
(一部国において、日本側からの依頼で入国をさせない様にしているケースは存在します)
それが今回その被差別対象が拡大され、本来入国できるはずの国の人が入国拒否されるわけです。
一般的に日本人が入国拒否されるケースは少ないので、こういう事案が発生すると炎上しがちです。
対策方法は?
入国拒否、強制送還、拘留、大使館による援助を受けた事のある私なりに考えてみました。
まずは書類に注目してみました。
書類、、、つまりパスポートですね。
ビザなども含まれます。
入国書類もそうです。
パスポートはいわば自分の身分証明書兼履歴書です。
そう考えた時に、一貫性のない入国暦は不審に思われます。
例えば、東南アジアを周遊した後で、オセアニア方面へ行く場合、あまり合理的であるとは言えません。
麻薬、覚せい剤等の密輸を疑われても仕方がありません。
そのほか敵対するAーB国があり、A国への入国暦がたくさんあるのに、B国への入国を試みたら審査官に良く思われなかった。
などです。
多くの入国審査官は入国条件を満たしていれば、快く入国を認めてくれる事が多いですが、あまりにも突っ込みどころがある渡航履歴には調べはじめます。
続いてビザです。
ビザとは一般的に渡航する前に、各国大使館で取得しておくものです。
その目的としては、渡航履歴検証であったり、その国での個人情報管理のために情報収集であったり、単にビザ代で稼ぎたいだけであったりです。
ビザ発給のプロセスがしっかりしている国では、パスポートの履歴を逐一確かめているので、ここで足切りに合います。
しっかりしていない国は、お金でどうにでもなったりします。
最後に入国/出国審査官に出す書類です。
氏名、住所、年齢、生年月日、滞在先などを書く用紙です。
これをきちんと書く必要があります。
キチンとというのは、「埋める」という事ではなく、読める字で書くという事です。
以前学生時代に中国へ旅行に行き、出国審査で提出する用紙を書くのを忘れていたため、目の前で急いで書きましたが、
「読める字で書き直さないと、審査しない。」
と注意されました。
当然の事を言われたまでですが、なんでお前に!?と当時は激怒したものです。
その後就職し「人が読める字で書かなければ、保存する書類としての価値がない。失礼とか一般論のよりも前の話」
「書類、ペンは必ずバインダーに挟み、お忙しいところ恐れ入ります。少しお時間よろしいでしょうか?と声をかけて、頭を下げてから相手に渡す物だ」という事を学びました。
この前後にも儀式めいた作法が付随したのですが、要約するとこういう感じです。
たかが出入国審査といっても「審査」には変わりありませんので、こんなのでいいだろう。と適当な書類作りをせずに丁寧に書く事は重要です。
今までこの入国審査を適当に受けてきた筆者は、なんと入国拒否→拘留→強制送還となった事がありました。
オセアニアにある某国での出来事ですが、一時期ポリネシアの島々へ渡航するのに必ず経由していました。
日本orアジア→某国→ポリネシア→某国→日本orアジアというルートになるので、某国は2回入出国します。
特に空港周りに見るものは無いのですが、乗り継ぎ時間が半日以上あったりする事が多く、空港の外に出て体を動かしたりしていました。
思い出すと、初めてこの国に入国した時から目をつけられていました。
アジアを経由して初めて某国に到着した時、入国審査場でファストレーンを探していました。
その時はビジネスクラスで到着していたので、機内で配られたクーポンが利用できるはずでした。
その行為を怪しく思った入国審査官の一人に呼び止められます。
私はてっきり入国審査をしてくれるものと思い、パスポートを出しました。
そうするとパスポートを人質に「なんであんな事をしたんだ!」と説教を始めます。
「ファストレーンが見つからなくて」と回答するも、お前がビジネスクラスに乗るのはおかしい。など問題はより深刻になります。
就業先、上司の名前、学歴、両親の名前など全て記録に残すので答えるように言われました。
私はここで反発して、適当な事を答えました。
その時は答えた後に入国できました。
その後、別の旅行で某国(3回目)に到着した時に
残念ながらロストバゲージに遭いました。
その時にバゲージエリアをウロウロしていると、運悪く警察官に捕まります。
私は乗り継ぎ時間があまり無いので、こんな事している暇は無いと答えたところ、恰幅の良い上司を呼ばれて、再び記録が始まります。
ここでも適当な事を回答しました。
後でわかった話ですが、この時のロストバゲージは、実は税関での手荷物内部を検査検証するために一時預かりされた可能性がありました。
そして10回目の某国に到着した際、、、
このころのには入国しようとも思わなかったのでトランジットして、出発フロアの航空会社ラウンジで休んでいました。
ストックフォトや4Travel用に写真を加工していた時に、後ろから声をかけられます。
ふと振り返ると、上から下まで武装しきった警察官が5名ほど立っていました。
半数以上が女性で、某国では公安職にも女性がたくさん活躍しているんだなと感心しました。
いや、それどころではない。
逮捕
氏名を確認されたあと、「任意で取り調べを行うので、ついてきてほしい」と言われました。
あくまでも任意だが断れば、これから先は監視させてもらう。という事です。
こういったケース、成田空港で見た事があります。
出国後の出発ロビーで1名の男が複数の警察官に囲まれていました。
何をしたのかはわかりませんが、警察官はどうしても逮捕したいムードです。
男の方は治外法権を理由に動こうとしません。
ドラマさながら拮抗している状況で、どうなるのか見物していましたが、最終的には転び公妨で逮捕されていました。
したがって今回のケース、任意を強調しても実質上の強制です。
警察官としては、ベスト+自動小銃という装備できている以上、制圧前提なのは目に見えています(某国に死刑はありません)
取調
おとなしく取り調べを受けることにしました。
内容は詳しく書けませんが、今後逮捕→取り調べ→起訴という流れになる事を説明されました。
ひとまず相手の要点としては、確信となる証拠がない(でっち上げ犯罪だったのであるわけない)ので、その提出に協力すれば、情状酌量と服役中は比較的良い条件での待遇にするという物でした。
驚いた事は、今までの入国審査での回答内容と、その受験態度に対しての報告書がファイルされており、それらの相違点矛盾店細かく質問されました。
今回のやりすぎな武装は前回までの質問に対する回答態度が良くなかったため、連行中暴れる可能性があり、備えのために武装したという事でした。
比較的冷静に聞いていたので、相手も割と穏やかに対応してくれました。
ファイルと同じ人とは思えませんね。と言われましたがそりゃビビります。
ちなみに手錠ですが、私の場合は取調室で初めてハメられそうになりました。
最初の段階であまり反抗的な態度をとらなかったので、それは必要ないでしょうとスーパバイザーから助言されハメられる事なく取り調べが進みます。
指紋採取や身長、体重、刺青の有無などくまなく調べます。
靴紐やベルトなどは首つり自殺をされないよう、預けます。
またかけられた容疑の性質から、より詳しい身体検査が必要になり、それも受けました。
入国拒否
身内なり弁護士なりに電話してよろしいと言われたので、ひとまず大使館に連絡しました。
一連の流れを説明すると、思いのほか親身に対応してくださり、すぐ警察に連絡を入れてくれました。
大使館とやりとりを終えたあと、その総括の報告を受けます。
ひとまず明日出国する(そもそも入国していないが)ように言われ、その日の夜は留置場で寝る事になりました。
日本でも入った事のない留置場にまさか外国で入るとは思いませんでした。
今回、速やかに強制送還される事になったのは、まず逮捕する方法に問題があったと言えるでしょう。
某国の刑法、刑事訴訟法については知りませんが
一般的に国内の犯罪を治外法権化でその国の司法警察官が逮捕する事は出来ないでしょう。(法学部のかた用語間違ってたらゴメンなさい)
今回は取り調べに任意同行→出国審査場を逆行→取調室は国内→密入国成立又は国内だから合法逮捕と持って行ったところが問題です。
拘留
約束していただいたように、留置場はなかなか悪くなく、ケータリングも取る事ができ、空調も効いて、プライバシーもありました。
もちろん3色ともでます。
味は悪くありませんでしたが、やっぱり壁の中でテンションが下がるので、ピザをお願いしました。
唯一窓なしなのは閉塞感がありましたが、その日は空港で寝るつもりだったので、ベットにありつけただけ良かったです。
監視役の警察官とはちょいちょい雑談して、日本人は部屋を綺麗に使うからいいな。お前はベットメイキングが綺麗だ。もしかしたらどこかで服役してたんじゃないのか?とか聞かれました。
確かにベットメイキングは服役中のスキルですがね。刑務所ではありませんよw
強制送還
私は送還先にタイを選びました。
もともと某国の後にタイに行く予定だったので、予定を変えずそのまま行く事にしました。
容疑の性質上、タイというのは好ましくないのですが、日本行きの普通運賃を負担できるほどお金もありません。
拘置所から空港までは警察の車両で送迎されます。
もちろん空港でもがっちり警察官が固めていますので、かなり目立ちます。
チェックインやらは警察の方でやってくれますのでその辺はいいのですが、問題は乗り込む時です。
強制送還される人は一番最初に乗ります。
その後、容疑者は客室乗務員に引き継ぎされます。
その便のドアクローズ直前までは警察官が隣にいます。
私の場合また犯罪者という事が確定していなかったので、監視はされるものの客室乗務員に引かれるほどではありませんでした。
しかし晒し者である事には変わりありませんから、他の乗客に「あの人は何者カー?」とか思われたと感じました。
某国からバンコクまでは12時間ほどあるのですが、隣の席の人は嫌がって別の席に行き、私の隣にはTGの客室乗務員が座りました。
考察
誰しもこのような経験はしたくないと思います。
しかし入国審査が厳しいとされている国(イギリスとかオーストラリア)で、その場をやり過ごすために適当にごまかしたり、冷静な態度で臨まなかったりすると、同様な扱いを受ける場合もあります。
某国は白人主導の国で、もと英国領です。
いわゆるヘイトクライムの一種でこのような不条理な取り調べが起きました。
それそのものは腹立たしいですが、被疑者にも権利が与えられました。
今回問題となっている中国で同じようなトラブルが起きた時に、果たして強制送還で済むでしょうか?
まとめ
出入国審査はやはり審査の一環であるから、面接に対しては誠実な態度で臨む方がよい。
「権利」を主張する前に自分はその国の国民ですらない、それ以下の存在だという事を認識すること。
現代の治安維持には「疑わしいものは排除」するので、出入国履歴というのはその人の自分物評価に大きく関係する。
これらを打開する方法として
- パスポートは5年用を持ち(安いので)、評価の低い国に行った後には再交付を受ける
- 出入国書類は綺麗な字で書き、相手にとっての資料性を考える。
- 書かれた情報の裏付け資料を持つ。
- なんなら英文の履歴書と職務経歴書を持ってく。
- 権利の一部は諦める
を実行しましょう!