例えば私が、まだこの世で作られていない「タイムマシーン」を発明したとします。もしできたら大発明!間違いなく私の名は後世に残るだろうと鼻高です!
私はこのタイムマシーンの「特許」を取得し、金儲けをしようとします。特許を持っていれば、
「このタイムマシーンを発売させてくれねぇか?ジロギンの旦那?」
なんて企業からの申し出があれば、
「わかったわかった、良かろう」
と私は販売する権利を与える代わりに、その売り上げからマージンをもらうことができます。特許が取れるのは、基本的にこの世に唯一無二のもの。本当に世の中の役に立つものであれば、自分の発明品が必ず売れるわけです。
タイムマシーンなんていったら、何億円払っても買いたいというどこかの富豪やら地主やらが山ほどいるでしょう。仮に売り上げの5%を頂戴するとしても、膨大なお金が集まります。
しかし、困った事に特許の申請をしたことのない私は、何から始めたらいいのかわかりません。
そんな私の元に友人がやってきました。友人は、
「俺が特許の出願をしてやるよ。手続き方法は全部知ってるから。つまりお前はタイムマシーンの『発案者』で、俺はタイムマシーンの特許『出願者』になるわけだ。OK?」
確かにそうだ。私はタイムマシーンを発案し、友人は特許を出願する。
という事で特許の申請書には「発案者が私」、「出願者が友人」と記載しました。
見事特許を取ることが出来ました!!
これで金持ち!孫の孫のそのまた孫の代まで遊んで暮らせるぜ!結婚できれば!なんて夢を見ていました!
しかし私は、想定したお金なんて全く稼ぐことは出来ない状態に陥ってしまったのです!
一体何故私はこのような事態に陥ってしまったのでしょうか?
この例の場合、
特許を取り、タイムマシーンを販売できる権利は、「発案者」の私ではなく、「出願者」の友人にあります。
企業に販売させ、マージンを受け取っていたのは友人という事になるのです。私は「発案者」と「出願者」の違いを知らず、みすみすタイムマシーンの特許を渡してしまうという致命的なミスを犯してしまいました。
特許は「出願者」のものになります。「発案者」は案を出したに過ぎず、同時に「出願者」でなければ権利を得ることは出来ないのです。
この抜け穴を使って、権利をだまし取ろうとする人もいるようです。怖いですねぇ。まさに「詰めが甘い」っていう状況になりかねないのです。最後の特許出願まで自分の手で行わなければなりません。
ちょっと今日はこの特許の「発案者」と「出願者」の違いについて考える機会があったので、自分へのリマインドを兼ねて書きました。
参考までにどうぞ。
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