私が同性婚に反対する理由
私は、同性婚に明確に反対する者である。世論調査を見ても、同性婚に反対する意見は、まだ3割を超えている。同性婚容認派の多くは、マスコミや左翼系文化人の宣伝で「なんとなく、賛成」と言っているだけであるから、同性婚反対派が本気で世論を啓発すれば、今の状況を逆転させることも可能だと思う。
残念ながら、若い世代において、明確に同性婚への反対を訴えることには、多大な勇気を要する。私もネット上で「差別主義者」のレッテルを貼られることもしばしばであった。しかし、私は決して感情的にLGBTへの嫌悪感を持っているから同性婚に反対している、というわけではない。明確な論理をもって同性婚容認という暴挙に反対しているのである。
そもそも、結婚とは何のために存在するのであろうか?LGBTに対して、「愛し合っているから」というだけの理由で、婚姻を認めても良いものなのだろうか? というのは、世の中には長い間、恋人の関係であっても、結婚しない人たちも存在するからだ。その背景には、結婚には法律上、特別な権利と義務が付いてくるということが挙げられる。
例えば、『民法』761条では、夫婦には日常家事債務の分担義務がある、とされており、他にも夫婦が結婚生活を営むにあたっては、様々な扶助義務や協力義務が発生する。婚姻届けを出すという行為は、単に2人の愛情を確かめるだけの行為ではなく、家庭生活を営むための法的な関係を構築する行為なのである。
もう少し、分かり易い例を用いると、「近親婚の禁止」や「未成年者の婚姻制限」が挙げられる。
「愛し合っているのだから、LGBTにも婚姻の権利を認めろ!」と、彼らは言っているが、それならば兄妹が愛し合っていれば婚姻の権利を認めるべきなのだろうか? あるいは、我が国では性的同意年齢が13歳であるが、結婚年齢は男子だと188歳、女子だと16歳であり、しかも、未成年者の婚姻には親の同意が必要である。しかし、「愛し合っているから、結婚を認めるべき」というのであれば、16歳や13歳はおろか、世の中にはプラトニックな愛情もあるのだから、小学生や幼稚園児が「相思相愛」になっていれば、もう、その時点で婚姻を認めなくてはならなくなるであろう。少なくとも、婚姻可能年齢に達しているのに、未成年だという理由で「保護者の同意」を必要としている規定はおかしい、という議論がいつ出てきてもおかしくない。
同性婚が『日本国憲法』第24条に違反することについては、すでに多くの識者が指摘されていることだし、私も大学でそう習ったのだが、一部の政治家が「同性婚容認のための憲法改正」を検討している、という話が『週刊金曜日』に掲載されていたので、この問題についても言及させていただきたい。
同性婚というのは、法律云々以前に、人の道、いや、獣の道にも反する行為である。
というのは、人間は言うまでもなく、有性生殖で繁殖する多細胞生物であり、この地球上の生物はこれまで何億年も、一説には10億年近く、有性生殖で繁殖してきたとされている。そうした、何億年もの「伝統」をぶち壊していいのかという問題だ。
こういうと、禽獣にも同性愛行為を行うものはいるというが、どこの生物にも、道から外れるものは存在する。近親相姦を行う人間が過去にいたとしても、それを法律で認めるべきである、という話にならないのと同じだ。念のために確認しておくと、私はLGBTの恋愛そのものに反対しているのではなく、それを法律婚という形で公許することに反対しているのである。
さらに、指摘しておくべきことがある。ここまでいうと「くどい」と言われそうだが、この問題について下手に発言するとどんな小さな揚げ足を取ってでも「差別主義者」に仕立て上げられるのが、今の時世であるから、念には念を入れて、言っておかなければならないことが、存在する。
それは、「LGBTは先天的な形質であり、それを理由に結婚の権利を認めないのは差別だ!」というものである。その「先天的な同性愛」論ともいうべき主張に対しては、次の一言で、片付けることができる。
「貴方は、新生児の頃から、性愛の感情を抱いていたのですか?」
とは言っても、それでも納得できない方もいるようなので、言っておくと、世の中には「体質」というものが存在する。仮に、肥満の遺伝子をもって生まれたとしても、赤ちゃんの頃から肥満体形で生まれてくるわけではないし、全員が肥満に育つわけでもない。近年、「同性愛者の遺伝子が原因」とか「13人に1人がLGBT」等という話が流れており、その真偽も検討されるべきであるが、仮に「同性愛の遺伝子」なるものが存在していたとしても、それは「LGBTになりやすい体質」であるというだけであって、必ずしも、LGBTになることを「保証」するものではない。戦国大名に男色が多かったところを見ても、LGBTになるには環境的な要因も見逃せないだろう。
私は、決して、LGBTの人たちを差別する意図がある訳ではない。ただ、以上のことから、同性婚容認派の主張は全く根拠がないどころか、矛盾と欺瞞に満ちているものであることが分かる。
最後に、年配の方からすると、「同性婚が容認される」と言われても、なかなか信じられないかもしれない。しかし、今の若者世代においては、「LGBTの権利向上」が、恰も絶対的な正義であるかのような同調圧力が存在する。そのことについても、また気を改めて報告させていただきたい。
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