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雨降って地固まる アジア大会候補地に「県・名古屋」

「愛知・名古屋」を国内候補地に決定した竹田会長(前列右から3人目)らJOC理事ら=東京都渋谷区の岸記念体育会館で

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 紆余(うよ)曲折を経て、「愛知・名古屋」が十三日、「二〇二六年アジア競技大会」の国内候補地に決まった。開催地を決定するアジア・オリンピック評議会(OCA)総会の前日となる二十四日までに、名古屋市が共催に復帰することが条件だ。経費高騰への懸念や県市のボタンの掛け違い、相互の不信感が、曲折の背景とされるが、世の中には「雨降って地固まる」こともある。都内で開かれ、国内候補地を決めた日本オリンピック委員会(JOC)理事会の主なやりとりは次の通り。

 <斎藤常務理事> (招致の経緯や視察結果を説明し)競技施設は国際基準をクリアし、既存施設を最大限活用する。OCAからも前向きな評価を得ている。

 昨日(十二日)、県市とも『共催したい強い思いに変わりがない』との文書を受領し立候補の意思を確認した。

 共催に向けた市側の手続きに日数を要し、現時点で共催関係が成立していない。正式に共催の決定がなされ、連名による共催成立の公文書を受領する条件の下で、日本開催を提案したい。

 <平岡専務理事> 河村(たかし名古屋)市長からは突然、JOCに相談もなく撤回し、白紙にしたいと。私どもも混乱し、驚いた。

 アジア大会は東京、広島から二十数年(国内で)開催していない。二〇二〇年東京五輪後、日本のスポーツ振興のためにはアジア大会を実施して盛り上げていきたい。

 <竹田会長> 県側は議会も通って問題ないが、市は最終的な議会の承認に時間が必要だと。OCA幹部が来て総会にかけるところまできている。国際的な信頼を落としたくない。条件が整った上で承認するということで一任していただければありがたい。

 <理事全員> 異議なし。

 <藤原理事> ほかに立候補予定は。

 <竹田会長> 興味を持った都市はある。OCAで検討したところ、総会にかけるのは早すぎるということで「愛知・名古屋」だけが評決にかけられる。

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 <藤原理事> もし河村市長や議会が賛成しなかったら、総会に出さないということか。今、本当に決めなければならないのか。

 <竹田会長> OCAの判断の下に今回、決議まで決められている。「愛知・名古屋」だから。今後になると、いつどうやって決めるかは白紙。

 <藤原理事> 先延ばしでも良いのでは。日本が手を挙げなければ、審議できない。

 <竹田会長> OCAが決めることなので、どうこう言えない。愛知県、名古屋市がプレゼンテーションを行って、加盟国に合意いただく形になる。

◆知事と市長のコメント

 東南アジア歴訪中の大村秀章知事はコメントを発表し、河村たかし市長は報道陣の取材に応じた。要旨は以下の通り。

 <大村知事> これまでの県と名古屋市の共同の取り組みが高く評価され、共催であれば開催都市の栄誉を勝ち取り、大会を成功に導くことができると期待されたものだと理解している。名古屋市には二十五日のOCA総会までに、共催の正式表明をすることを希望する。

 <河村市長> 共催を合意できるよう頑張るけど、くれぐれも(開催経費が当初案から高騰した)東京五輪みたいにならんよう、県とよく話し合わないといかん。税金の負担が膨らまないよう、宣言してやらないかん。(OCA総会には行く?)まあ、これから。まだ決まっとらん。

 (豊田雄二郎、奥田哲平)

 

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