コンピューター画面をにらみ、取引を行うトレーダーら。「心の理論」と呼ばれる直感力が凄腕トレーダーの強みだという=独フランクフルト証券取引所(ブルームバーグ)【拡大】
目の前にあるコンピューター画面で、ある株式銘柄の値動きを追っているとしよう。その株が値上がりするか、あなたは注文を出す前に理詰めで考えるだろうか。それとも直感に従うだろうか。
科学的に証明
トレーダーとしての優れた能力は、一部の人にだけ備わっているように見える不思議な「未知の要素」だ。この能力は論理に根ざしたものだと考えられがちだが、カリフォルニア工科大学の研究者たちが、値動きを予測している人の脳の様子を画像に記録したところ、驚きの結果が出た。論理と同じくらい、直感に従っている可能性が高いというのだ。
機能的磁気共鳴映像装置(fMRI)を使えば、ある活動が脳のどの部位が関連しているのかを調べることができる。カリフォルニア工科大の実験で、被験者を機械のなかに入れ、数学の問題を解かせて脳のどこが活性化するのか見たところ、数学に関する部位は反応せず、心理学で「心の理論」と呼ばれる働きに関連する部位が活性化したことが分かった。