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にいちゃんXさんが書き込んだレビュー

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割られよ、凍てついた王冠よ
割られよ、凍てついた王冠よ

22 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 娯楽作品として読むべきだ, 2015/6/8
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著者の思想が色濃く出た作品。
だが、そこに囚われていては本質を見失うだろう。
管理社会に対するアンチテーゼというテーマそのものは使い古されたものではあるが、マグナと呼ばれるエネルギー機関やユニークま王冠の存在など豊かな想像力で構築された世界観に感嘆させられる。
アクションも王道的でレトリックこだわらない読みやすい文章がいい。

国家間の描写の甘さや、大衆の安易な記号化など少々乱暴さが目立つものの、一気の読ませるテンポがある。
主人公とヒロインの出自がシビライゼーションからかけ離れたところにあるのも引っかかるが、ストーリーテーリングを重視したのだと思えば納得せざるをえないものだ。

これは想像だが、作者は60分程度のプロモーションムービー的な作品を想定して小説にしたのではないか。そう考えると合点がいく。


白い眠り
白い眠り
価格: ¥ 100

1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 題材は面白いと思う, 2015/4/19
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レビュー対象商品: 白い眠り (Kindle版)
回想録形式で、純文学の典型のような出だしから、最後は意外なオチをつける興味深い作品だった。
伏線が足りず若干強引なところに落としてくるのだが、唐突な感じがしないのは美徳だろう。
どうしてもラストの盛り上がりに欠けてしまうのだが、このオチならやむを得ない部分もあると思う。

難点は、全体的な描写の甘さ。ストーリーが平坦なので、その分、2人の関係をもっと丹念に描き、読者に感情移入させる必要があったのではないか。とくに風景描写が甘い。2人の印象的なシーンを読者に印象付けるものが欲しかった。それが結果的に盛り上がりの欠如に繋がっているように思う。
また、主人公の心理描写は丹念ではあるが、ややセンチメンタルになり過ぎていて、なかなか人を選ぶ作品になってしまった気がする。
なんとなく昔のケータイ小説を連想させる作品だ。

また、このタイプの作品にしては、自分に酔う部分が少なく、平易な文章でまとめたのは良いことだと思う。もう少し文章がこなれてきたら、面白い書き手になるかもしれない。


ダブル・フーダニット (陽水樹文庫)
ダブル・フーダニット (陽水樹文庫)
価格: ¥ 250

3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 2作品の差が気になった, 2015/4/19
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1作目は密室トリックだが、全体を通じて描写の甘さと意外性の乏しさが気になった。今の時代、この作風は一部のミステリマニアにしか受け入れられないのではないかと危惧している。
キャラクターも舞台ももう少し個性が欲しい。

2作目は非常にドラマ性が高く面白い。ミステリとしては物足りない人もいるかもしれないがエンタメ作品としては、こちらの方が上だと思う。とくに人物の心理描写が見事だ。
出来れば、1作目もこのクオリティで書いて欲しかった。

最後に。妙なレビューを書いてご迷惑をおかけしたようで申し訳ありませんでした。これで誤解が解ければ良いのですが。


巨塔迷宮のアルトリウス(1)
巨塔迷宮のアルトリウス(1)

1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 一般の人は読んでどう思うだろう, 2015/4/12
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いわゆる異世界転生もののファンタジー小説で世界観的には国産ファンタジーRPGそのもの。
文章は整っているし、戦闘まわりは迫力もある。
おそらく作者は魔法の大剣を担いだ10歳の美少女の活躍さえ書ければ、という狙いだろうが、その点については狙い通りに行っているし、そういう趣味の人には納得できる作品なのだろうと思う。

ただ、一般読者にとってはどうだろうか。まずはファンタジー世界の表現を、ほとんど地の文でやってしまっていて、臨場感やリアリティが欠けている。世界観の解説にしかなっていない。それも「現代日本」から転生した主人公の視点で語られるのだが例えが陳腐でイメージがわきづらい。
世界恐慌時のウォール街の様子をリアルタイムで見ている現代日本人はほとんどいない。「テレビや教科書で見た」と加えたとしても苦しい。

そして、何より厳しいのは主人公がなぜ、この世界にいるのか、どんな人間なのか語られないこと。後日続編で明かされるのだろうが、読者からしてみればモヤモヤする。
「そういう作品なんだ」と言い張るのであれば、それは手抜きでしかない。しっかり物語に絡めた驚きの展開をもって明かして欲しい。

とはいえ、迫力ある戦闘シーンやこなれた脇役の描写とシナリオ展開など作者の力は感じる。できれば、こうした作風ではなく王道のストーリーを書いて欲しい。


おらは青鬼(短編集)
おらは青鬼(短編集)
価格: ¥ 99

11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 小説より脚本に近い, 2015/4/3
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レビュー対象商品: おらは青鬼(短編集) (Kindle版)
短編2作とも動物をテーマにした作品。
相変わらず、この作者特有の、誰の視点で綴られたものかはっきりしない珍妙な作風。
おそらくだが、この作者は映像やコミックのように神の視点で物語を表現したいのではないか。
そうであれば、これだけの数を書きながらも頑なに小説作法を無視した作風が一向に改善しないことに合点がいく。ただ、どこかで改善しない限りは、なかなか一般の読者には受け入れられないのではないか。
どの作品も切り口は悪くないのだから、そのセンスを生かして小説ではなく脚本などの分野にチャレンジした方がいいように思う。

ストーリーについては、「片目のジャック」については、やりたいことはわかる。ただ、猫の波乱万丈な一生にしては、エピソードに目新しさがないし、クライマックスも盛り上がらない。あと、今回もラストはお説教。人間を動物に例えるのは、夏目漱石やエコーズなどで使い古されたテーマで、残念ながら目新しさはなかった。

「迷い犬、ポチの涙」は捨て犬を通じて人間の身勝手さを描いた作品。これは動物愛護協会の啓発VTRにありそうな、ありがちな作品で目新しさはなかった。だったら長編にして、ポチが生まれてから死ぬまでの波乱万丈を描いた方が良かったのではないか?

そういう意味では、2作を合体させたり、犬と猫をダブル主人公にして、その生涯を対照的に描くとか。それくらいやったら面白い作品になるのかもしれない。


四月馬鹿
四月馬鹿
価格: ¥ 99

5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ただの女性エロ小説ではない, 2015/4/1
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レビュー対象商品: 四月馬鹿 (Kindle版)
冒頭の入り方が気をてらい過ぎている気がしたが、全編を通して巧みに構成されていて面白かった。
ある女性のひとつの恋というか男女の関係を始めから終わりまで描いた作品。
その大半がセックスの描写に終始するが、官能的だが下品になり過ぎず、一つ一つの行為に意味を持たせているのがわかる。
ただの変態的なプレイではない、断じて。
主人公の心理描写も見事だし、台詞一つ一つにセンスが感じられる。

一番感心したのは主人公のスタンス。こういうタイプの作品は、だいたい「愛」という言葉で飾りたて、せっかくの物語を予定調和に持っていこうとするか、安易に「死」を匂わせ耽美的な雰囲気を醸成しようとするものだが、それをしなかった。
あくまで感傷的な雰囲気を湛えて余韻を匂わせながらもドライな繰り返しの物語にもっていけたのが、一番の美徳だと思う。

文章もセンチメンタルに陥り過ぎない知性が感じられる。
個人的には、表紙の雰囲気が勿体ない。作品の格式に比べて、ありきたりでチープな感じがする。


おらは赤鬼(短編集)
おらは赤鬼(短編集)
価格: ¥ 99

17 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 ユーモアなのか天然なのか, 2015/3/28
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レビュー対象商品: おらは赤鬼(短編集) (Kindle版)
表題作の「おらは赤鬼」から。
まず、このタイトルだと赤鬼中心の物語を連想するが、全く違う。
延々とシュールな地獄絵図を地の文で描き、最後に豚美なる人が出てきて、なんか色々あって赤鬼が改心するお話。
まず、不思議なのが、時代設定。昔話めいた架空世界思いきや魏志倭人伝の邪馬台国のあった時代固有名詞出てくる。邪馬台国成立以前に、相模の国があり、みたらし団子のあるシュールな世界観。これは狙ったのか、なにも考えていないのか。
他にもツッコミどころ満載だがキリがないので置いておく。
どうせなら舞台を架空の江戸末期や終戦直後にして丹念にムラ社会を描くか、昔話風のほのぼの世界観に過激なエログロを持ち込むくらいの突き抜けたセンスが欲しい。
そうそう、この作品そんなにグロくない。説明は過激だが描写はほとんどないので、Yがパイパンに見える想像力の持ち主でなければ問題なし。

最大の難点はストーリー。まず赤鬼のキャラに一貫性がなく描写が甘いため、すべての展開が唐突。しかも、その展開に驚きがないので「〜からの?」というツッコミが随所に入るが、本当に何もない。意外性がなくクライマックスが存在しない印象。
そして唐突にラストは現代社会への警鐘的なお説教タイム。意味不明。新興宗教の勧誘パンフレットみたいだけれどEホバやK福の科学の方がよほど丁寧ではないのか?
とりあえず赤鬼のせいで、村が地獄絵図になった。鬼がいなくなって平和になった。生き延びるために非人道的なことをした村人はそんなに悪いか?
それに、遺伝子組み換え悪くないやんけ。巨大なサンマって何それ怖い。回遊で養殖できない魚の倍数体を作る技術はどの世界のオーバーテクノロジーなのか?
説教が頓珍漢すぎて意味不明。

続いてダンデライオン。こっちは、やりたいことは分かる。
スリ常習犯の少年がある事件がきっかけで、人との出会いがきっかけで前を向く内容。ちょっといい話的なものを書きたかったんだと思う。
ただ、三人称がひっちゃかめっちゃかで読みにくい。せっかくのイイ話チックな雰囲気が台無しになっている。あとエピソードが全然足りない。
もっとメリハリのあるエピソードを積み上げ、少年の交流と成長を丹念に書けば、作者のメッセージも伝わったのかもしれない。この分量では厳しかった。

両作品を通じて思うのは作者の教養と読書量、筆力の不足。どちらもアイデアは悪くないのだが。カニバリズムの歴史や日本の歴史、警察組織など、ネットが普及した今、もっとリアリティが求められるし、飢餓の村で「酒池肉林」とか「ノスタルジックを想わせる」といった用法や表現は読んでいて頭が痛くなる。
プロモーションやレビュー獲得に躍起になる前にもっとやることがあるのではないか。

ちなみにこの採点は甘いつもり。表紙は可愛いので。


ココロ・アルバム
ココロ・アルバム

2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 透明感のある文体, 2015/3/24
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レビュー対象商品: ココロ・アルバム (Kindle版)
単刀直入に言えばクリアな作品だと思う。良くも悪くも。
文章については、冒頭、やや主語や目的語が雑然と並んでいて気になる部分があったが、中盤以降は、滑らかな透明感あふれる文章で読ませる。平易で分かりやすく、情緒的になり過ぎない、知的でハンサムな文体だと思った。

問題は、純文学としてみた場合にはテーマ性があまりにも希薄であるということ。鬱からの復帰というのであれば、主人公の苦悩が物足りないし、テーマそのものが目新しいものではない。

一方、娯楽小説として見るなら、まず鬱に至る回想が長過ぎるし、それが回想とわかりにくい。またストーリーが平坦なサクセスストーリーでしかなく起伏に乏しい。
物語の唯一と言っていい、香との一夜の謎も答えが意外性に乏しく唐突な感じがした。

そういう意味で、誰に向けて書いたのか分からないのが最大の難点だが、多分、この作品は作者本人のために書いた作品なんだろうと思う。それだけ文章の節々に作者の強烈な情念を感じた。
同人の作品であれば、個人的にそれもいいのではないか。悪いことではない。

とはいえ、物語の構成こそ物足りないが、文章力のある作者であることは疑う余地がない。この作品自体は微妙だが、もっと他の作品を読んでみたいと思わせる力量を持っていることは事実だ。


とあるわなびが見た地獄
とあるわなびが見た地獄
価格: ¥ 99

2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 後半は圧巻, 2015/3/24
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個人的には非常に面白いと思う。
メール形式で進み、オチはベタだけど妙なキレがある。
そして、圧巻はそのあと。かなり危ういバランスの上でギリギリで作品として成立させている感覚はとても好きだ。
正直、序盤のメール部分については、ちょっと単調で、どうしたものかとも思ったが、ラストで挽回できたと思う。

しかし、この作品の最大の難点は、読む人をかなり選ぶということ。
電子書籍のセルフ出版、あるいは類似のサービスにおける文芸コミュニティのあるあるネタをホラー風味にしただけなので、これを一般の読書好きが読んでどう思うだろうか。
そう考えると、非常に狭い客層しか見ていないとも言えるし、また、この作品が特定のコミュニティでしか理解されない作品だともいえる。

かつてケータイ小説が流行った時代がある。女子高生なんかが 、自分たちのコミュニティ内でしか理解されない表現で綴るラブストーリーだったりするのだが、この作品を読んで、何故かそれを思い出してしまった。

要するに、マニアック過ぎる。


シュガーレポート シュガーレス (ケモノノノベルズ)
シュガーレポート シュガーレス (ケモノノノベルズ)
価格: ¥ 101

3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 不条理さをどう捉えるか, 2015/3/22
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不思議な小説だった。
まずは、妙にポップな世界観とところどころに現れる先鋭的な比喩表現。不思議なネーミング。
それに輪をかけて印象的なのは、独特の文章。状況描写と心理描写がごちゃ混ぜでも、しかも改行が極端に少ない。小説にしては前衛的過ぎる。
たとえばジュディマリの歌詞を小説の体裁に直さずそのままぶちまけたような、そんな不思議な作品。
最初は、読みにくく書き慣れていない人の作品かと思ったが、どう考えても文章表現の多彩さは、慣れてない人ではない。
物語はベタなライト系恋愛小説の典型で進むが、徐々に違和感が生まれ、最後に、予想外のオチとなる。そのタイミングで、この作者の企みが明らかになる。
この不条理な展開も奇妙な世界観も、おかしな文章も計算尽くの産物なのだ。描写の甘さすらも意図的なもののように思える。

興味深い作品だが極端に人を選ぶだろうし、受け付けない人も多いと思う。
個人的には面白いと思うが、文章だけは、わざわざ読みやすさを犠牲にしてまで、仕掛けにこだわる必要はないと思った。他の表現もできたように思う。
むしろ、この世界観を生かした普通の小説を読んでみたい。前半、退屈な恋愛小説をここまで読ませるものに仕上げたセンスを他の作品で読みたい。


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