高齢化社会を背景にサラリーマンの税金は上昇傾向にあります。
現在、社会保障給付費は「115.2兆円」まで膨れていますが、人口問題が解決できなければ、当然ながら現役世代の負担は増加に拍車がかかりません。
2015年の国家予算は過去最大ですが、その「96.3兆円」を超える金額が、社会保障給付費だけで消えています。
さらに日本の高齢化社会は世界最速で進んでいきます。
2015年世界の高齢者化率
1位日本、26.34%
2位イタリア、22.40%
3位ギリシャ、21.39%
4位ドイツ、21.24%
5位ポルトガル、20.79%
しかし、先進国34カ国を対象にした調査によると、日本のひとりあたりの税金負担率は26位とそれほど悪くないようです。
先進国の税負担ランキング
経済協力開発機構が2014年に発表した先進国34カ国の歳入データに基づき、各国の国内総生産GDP率として税歳入を順位付けしたところ、日本は26位という結果になりました。
税金の高さは欧州諸国が圧倒的で、トップ10のうち8カ国はEU加盟国です。
先進国税金負担ランキング
01位、デンマーク、50.9%
02位、フランス、45.2%
03位、ベルギー、44.7%
04位、フィンランド、43.9%
05位、イタリア、43.6%
06位、オーストラリア、43%
07位、スウェーデン、42.7%
08位、ノルウェー、39.1%
09位、アイスランド、38.7%
10位、ハンガリー、38.5%
11位、ルクセンブルグ、37.8%
12位、オランダ、36.7%
13位、スロベニア、36.6%
14位、ドイツ、36.1%
15位、ギリシャ、35.9%
16位、ポルトガル、34.4%
17位、チェコ共和国、33.5%
18位、スペイン、33.2%
19位、エストニア、32.9%
20位、英国、32.6%
26位、日本、30.3%
31位、アメリカ、26%
デンマークなど北欧の国々は、福祉制度や教育制度が充実した国が多く、その負担分として税金を徴収されています。
若い内は税金が高く生活は苦しいですが、そん分老後はお金がなくても生活できるという利点があります。
デンマークは質の高い生活が保障された「世界一の福祉国家」という側面ももちます。
このランキングから注目すべきは、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャなど財政問題を抱える国が、総じて高いことです。
これらの国は総じて若者失業率が高いですが、これだけ税金が高ければ働かない方が正解かもしれません。
財政問題も抱え税金も高いイタリアにいくと、人々の活気はないように感じます。多くのイタリア人は消費を抑えるために外に出るのを控えるようになるからです。
日本の税金負担率は低い
これらの国々に比べて日本は意外にも26位とそれほど税金負担が高くないことがわかります。
これは累進課税率を採用している日本は全体的な税率が低く、低所得者の税金負担が低くなりやすいからです。
逆をいうと欧州諸国に比べて、政府はまだまだ税金が取りやすいということを意味しています。
今のままでも十分高いと感じている人は多いかもしれませんが、政府からみたらヨーロッパ諸国に比べたらまだまだマシと言われそうです。
近い将来、40%程度まで上昇しトップ10に入るのも時間の問題かもしれません。
アメリカの税金負担率も低い
世界一の債務残高アメリカも、税負担は26%とそれほど高くはありません。
理由はアメリカは完全に自己責任の国家です。
アメリカは年金制度や社会保障制度が存在しないため、月々の保険加入料や年金の積み立ては総じて高いです。
医療費を支払う能力がなければ、病院から治療を拒否されるほどシビアな世界です。
50%の税金負担か自己責任社会か
日本はこれから超高齢化社会に突入します。
いずれにしても現状では生活が成り立たないことが予想されます。
ヨーロッパ諸国のように老後を国家に任せて、50%の税金が徴収されるほど増加するのか、それともアメリカのように自己責任社会になるのか、2つに1つしか道はないです。
個人的にはアメリカのように自己責任にしてくれた方が、わたしは有難いですが、現状の日本をみるとヨーロッパの方向に流れているように感じます。
ただし、過度な保護主義を好むヨーロッパを目指すと、近い将来若者の失業率が3~4割ということも十分にあり得そうなシナリオです。