北朝鮮で大規模水害 数万人が住居失う
- 2016年09月13日
北朝鮮の北東部で今月に入り、記録的な豪雨による大規模水害が起き、数万人が住む場所を失っている。国連などは人道上の危機を警告した。
国連と国際赤十字委員会によると、北朝鮮政府は死者133人と行方不明者400人近く、住宅の破壊や農作物への被害を報告している。
救助隊は、最も被害が甚大な地域に入れずにいる。
北朝鮮は慢性的な食料不足に悩まされており、外国からの支援に大きく依存している。
国連は北朝鮮に対する援助として800万ドル(約8億1000万円)を今年の予算に計上している。
台風10号による洪水に見舞われるなか、北朝鮮は先週、5回目の核実験を行い、国際社会から非難の声が上がっている。
北朝鮮で過去最大とされる核実験を受けて、同国に対する経済制裁はさらに強化される見通し。
洪水が「全てを破壊した」
中国との国境を流れる豆満江の流域が最も被害が大きい。国連によると、茂山、延社両郡の多くの地域が孤立化している。
北朝鮮で赤十字代表団を率いるクリス・ステインズ氏は、同地方が「非常に大きく複雑な災害」に直面していると述べた。
ステインズ氏はAFP通信に対し、「洪水の勢いはあまりに強く、水が流れ込んだ場所では全てが破壊された」と語った。会寧市近郊のいくつかの村では、無傷で残った建物はほぼないという。
ステインズ氏はさらに、「洪水で住まいを失った人々はいま非常に困難な状況に置かれており、特に健康状態に関連した二次災害の危険が高まっている」と述べた。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は、14万人が「援助が喫緊に必要となっている」と述べた。国連のムラート・シャヒン氏は、被害の規模は「地元当局が経験したことがない」ものだと語った。
北朝鮮の国営メディアは、地域の人々が「大きな困難」を経験していると伝えた。