[PR]

 台風10号の豪雨災害から2週間となる13日、岩手県岩泉町内では行方不明者の捜索やボランティアらによる復旧作業が続けられた。県によると、同町では13日午前6時の時点で385人が避難所で生活している。

 高齢者9人が亡くなったグループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」がある乙茂(おとも)地区。この日、この地区出身で東京在住の元会社員小久保由美子さん(67)の実家にもボランティアの姿があった。

 家屋は150センチほど浸水し、家財のほとんどは流されたり泥に埋まったりした。壁に貼られたイチローのポスターがかろうじて顔の部分だけ残っていた。

 父母と兄を亡くし、空き家になっていた実家。20年近く両親を介護した経験から、この実家を利用して高齢者向けに弁当を宅配する仕事を始めようと考えていた。

 台風の被害を知り、夜行バスで4日に帰ってきた。ボランティアの協力で清掃はかなり進んだ。「弁当宅配の目標を諦めず、改築してここに住みたい」(渡辺朔)

■久慈4世帯、孤立解消

 岩手県によると、13日午後4時までに、豪雨災害で壊れて通行止めになっていた道路が復旧し、久慈市の4世帯6人の孤立が解消した。これで最大時107世帯220人だった同市の孤立住民はゼロになった。残る孤立世帯は岩泉町の5世帯9人だが、県は10月上旬までかかる見通しを示した。