不安な船出のサッカーW杯アジア大会、もはや香川に頼れないワケ
振り返れば、14年のブラジルW杯、15年のオーストラリアでのアジアカップといい、香川の印象といえば両手で頭を抱え、天を仰ぐシーンばかりだ。だが、指揮官のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、そんな香川をこの2試合でも攻撃陣の中では唯一フル出場させるなど、頼りにしている。
「前を向いてやるしか」
10年にJリーグのセレッソ大阪からドイツのドルトムントに移籍すると、一気に代表のエースに上り詰めた香川だが、その後はイングランドの強豪マンチェスター・ユナイテッドへの移籍が失敗に終わり、再びドルトムントに戻るなど、かつての勢いは影を潜めている。それでも、代表ではメインスポンサーの看板選手で、背番号10というエースナンバーが鎧になっているのか、奇妙にも不動のスタメンに定着し続けている。
「最終予選の難しさを感じる2試合だった。タイに勝ったし、前を向いてやるしかない」
黒星発進であとがなくなったが、香川は次戦に向け意欲を見せる。しかし、いつまでも香川に頼っているようだとこの先が思いやられる。チームは生き物だけに、競争原理が働かなくなると、停滞を余儀なくされるものだ。10月のイラク(ホーム)、オーストラリア(アウェー)との2連戦も決して楽な戦いにはならないだろう。大惨事を招く前に、ハリルホジッチ監督の英断が待たれる。(ライター・栗原正夫)
※AERA 2016年9月19日号
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