豊洲市場 専門家提言受けた5か月後に一部で盛り土行わない方針

豊洲市場 専門家提言受けた5か月後に一部で盛り土行わない方針
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東京都が築地市場の移転先となる豊洲市場の土壌の汚染対策として敷地全体に行ったと説明してきた盛り土が一部で行われていなかった問題で、都は、敷地全体に盛り土を行うよう専門家から提言を受けたにもかかわらず、短期間のうちに建物の地下では行わない方針を示していたことがわかりました。
豊洲市場の土壌汚染対策をめぐっては、東京都が敷地全体で行ったと説明してきた盛り土が、実際には、主要な建物の地下では行われていなかったことが明らかになりました。
これまでの調査で、東京都は、土壌や水質に詳しい大学教授らで作る「専門家会議」から、盛り土を敷地全体に行うよう提言を受けていたにもかかわらず、独断で方針を変更したことがわかっています。
この専門家会議の提言は平成20年7月に行われましたが、都は、その5か月後の12月には、別の専門家が工事方法を検討する「技術会議」で、一部で盛り土を行わない方針を示していたことがわかりました。
都は技術会議の中で、建物の地下には空洞を設ける必要があると説明しましたが、その後、盛り土を行わないことについて十分に議論しなかったということです。
東京都は、専門家の提言を受けてから5か月という短期間のうちに、一部で盛り土を行わない方針を示した経緯について、詳しく調べることにしています。

空洞内の水 成分分析など調査へ

豊洲市場にある水産卸売場など5つの建物の地下では、都が土壌汚染対策として行ったと説明してきた盛り土が実際には行われておらず、配管や配線が通された空洞が設けられています。建物の地下に盛り土がなされていないことを今月7日、視察で確認した共産党東京都議団によりますと、空洞の床にはおよそ1.2センチの高さまで水がたまっていて、底には砂利などが見られたということです。
この水について、小池知事は12日、都の幹部との会合で「雨水なのか、地下水が上がってきているのか、重要な論点になる」と述べ、安全性に問題がないか調査するよう指示しました。
これを受けて都では、水がたまった原因を確認するとともに、有害物質が含まれていないか、水を採取して成分を分析するなどして調査することにしています。
また、市場の敷地では、過去に揮発性の高い有害物質のベンゼンが検出されていたことから、空洞内の大気についても、影響を調査することにしています。