韓国政府の地震対応に批判高まる

韓国政府の地震対応に批判高まる
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韓国で12日夜、観測を始めて以来、最も大きな規模となるマグチュード5.8の地震が起き、少なくとも14人がけがをし、韓国国内では、地震に関する情報の提供が不十分だったとして政府への批判が高まっています。
韓国では12日午後7時44分ごろ、南部キョンサン北道のキョンジュ付近を震源地とするマグニチュード5.1の地震が発生し、その50分後には、この近くで、韓国の気象庁が、1978年に観測を始めて以来、最も大きな規模となるマグニチュード5.8の地震が起きました。
災害対応などに当たる韓国の国民安全庁によりますと、この地震で、これまでに少なくとも14人が倒れてきた家具などでけがをしたほか、建物にひびが入ったり、水道管が破裂したりするなどの被害が640件以上確認されています。
一方、今回の地震をめぐっては、国民安全庁のホームページにアクセスが殺到したことで数時間にわたって見られなかったほか、携帯電話に送られる地震発生のメッセージが、10分近く遅れて届いていたなどとして、地震に関する情報の提供が不十分だったとして政府への批判が高まっています。
このため、パク・クネ(朴槿恵)大統領は、13日に開かれた会議で「今回の地震を教訓に、原子力発電所などの防災対策を全面的に再点検し、今後発生するかもしれない、より大規模な地震に備えて欲しい」として、地震への備えを徹底するよう指示しました。

被災者「何も情報ない」

震源地に近いキョンジュでは、地震の発生のあと、国や自治体から情報提供がなく、避難場所がわからないとして、運動場の敷地内にある芝生でテントを張って生活している人が15人ほどいます。
このうち、1歳の娘2人と避難している母親は、「地震発生のあと、携帯電話に災害メールが送られてきましたが、その後は何も情報がありません。余震が不安なので、きょうは野宿するしかなさそうです」と、国や自治体の対応への不満を述べていました。
また、7歳と6歳の子ども2人と避難している母親は「避難所への案内などがなく、1人で考えて動かなければなりません。市民が安全に避難できる場所を提供して欲しいのですが、いまは右往左往するしかありません」と話していました。

パク大統領「認識改める契機に」

韓国のパク・クネ大統領は13日午前、会議を開き、「今回の地震は、わが国が地震からは比較的安全な場所だという、これまでの認識を改める契機となった」と述べました。