台風14号は「スーパー台風」 台湾などで厳重警戒

台風14号は「スーパー台風」 台湾などで厳重警戒
台風14号は、中心の気圧が900ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は60メートルと猛烈な勢力に発達し、アメリカの気象機関は「スーパー台風」だと発表しています。気象庁は、30度以上の海面水温の高い海域を移動したことが急速に発達した要因と見ています。
気象庁の観測によりますと、台風14号は、今月10日の午後3時にフィリピンの東の海上で発生した際には、中心の気圧が1000ヘクトパスカルでしたが、3日後の13日の午後3時には900ヘクトパスカルにまで発達しました。特に11日の正午から午後9時までの9時間に30ヘクトパスカル低下するなど急速に発達しました。
また、中心付近の最大風速は、13日午後6時の観測で60メートルに達しました。

専門家によりますと、おおむね、中心気圧が900ヘクトパスカル程度以下で、最大風速が60メートル以上の台風は、アメリカで「スーパー台風」と呼ばれていて、今回の台風14号についても、アメリカのJTWC=米軍合同台風警報センターは「スーパー台風」だと発表しています。
気象庁は、フィリピンの東や台湾付近、それに沖縄付近の海面水温が平年に比べて1度程度高く、台風14号は海面水温が30度以上の高い海域を比較的ゆっくりとした速度で進んだことで急速に発達したと見ています。

気象庁によりますと、中心気圧が900ヘクトパスカル以下にまで発達した台風は、統計を取り始めた昭和26年以降、62あり、年に1つ程度だということですが、ことしは900ヘクトパスカルまで発達し、7月に台湾に上陸した台風1号以来、2つ目になるということです。
気象庁は、日本の南の海面水温の高い海域を移動する台風は急速に発達するおそれがあり、今後も十分注意が必要だとしています。

台湾とフィリピンでは厳重警戒

猛烈な台風14号は13日夜から14日の日中にかけて台湾南部やフィリピン北部に近づくおそれがあります。台湾の東部や南部の沿岸では、波が次第に高くなり、南部の都市、高雄では強い風で街路樹が、時折大きく揺れ、海沿いの公園には立ち入り禁止のロープが張られ、海上警備当局がパトロールをしています。
市内に住む女性は「台風に備えて水や食料を買いました。あすは、外出しません」と話していました。
離島との間を結ぶ14日の船の便は、一部の欠航が決まるなど、交通機関への影響も出始めています。
台湾では合わせて、およそ3万3000人の兵士が災害が発生した場合の救助に備えています。

一方、フィリピンでは、台湾との間にあるバシー海峡の島々やルソン島北部などの住民に対して現地の防災当局が学校や教会など指定された施設への避難を求めています。
フィリピンでは3年前、スーパー台風とも呼ばれる猛烈な台風が直撃して死者・行方不明者がおよそ7300人に上りました。
台湾とフィリピンの気象当局は、台風の進路にあたる地域の住民に大雨や暴風、高波、高潮などに厳重に警戒し、早めに避難するなど身を守る対策をとるよう呼びかけています。

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