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空気が読めないのはアスペかも?アスペルガー症候群の特徴と接し方

      2016/09/13

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あなたの周りで、少し変な人はいませんか?受け答えが成立しなかったり、言葉遣いが独特だったりする人がいるかもしれません。

ユニークな性格なだけかもしれませんが、もしかするとアスペルガー症候群である可能性があります。

アスペルガー症候群とは、自閉症のタイプの一つです。パッと見は普通の人に見えるのですが、脳に障害があるために対人関係に支障をきたしてしまいます。

  • 人の気持ちを理解することができない
  • 思ったことを口に出してしまう
  • 場の空気を読むことができない
  • 冗談を本気にしてしまう
  • 自分の興味のないことは絶対にしない

こういった症状があるのなら、要注意だといえますね。

軽度の症状も含めると、我々の身の回りにアスペルガー症候群の人はたくさんいます。ある統計では、100人に1人はアスペルガー症候群の疑いがあるようです。こういった人と関わる機会があるはずなので、接し方を知っておくと良いでしょう。

ここでは、アスペルガー症候群の特徴と接し方を紹介します。

アスペルガー症候群とは自閉症の一種である

アスペルガー症候群は、興味やコミュニケーション能力に異常がみられる障害のことです。

自閉症の一種ですが、自閉症に見られる知的障害や言語障害はありません。なので、明確に判別することが難しく、単に「変わった人」だと思われているだけという状況が非常に多いです。

発症頻度としては、1000人中数名程度で男性の方が多いと言われています。先天的な脳の機能障害とされていて、明確な原因は分かっていません。

「3つ組の障害」と呼ばれる3分野の障害があるかどうかで、アスペルガー症候群だと判断されます。

  • 他人と社会的関係を築く
  • コミュニケーションを行う
  • 想像力を働かせる

アスペルガー症候群は、以上の3分野に障害がみられるというわけです。

他人と社会的関係を築く

社会的関係とは、「良好な人間関係」と言い換えることができますね。相手の気持ちを理解して、それに適した振る舞いを行うことで、関係性を作ることができます。

アスペルガー症候群だと、相手の気持ちが理解できないために、人間関係を作ることができません。

コミュニケーションを行う

コミュニケーションとは、自分の考えを正確に伝えることと、相手の意見を正しく理解するということです。アスペルガー症候群の人は、意思疎通がしっかりとできないので、コミュニケーションが成立しません。

想像力を働かせる

想像力とは、空気や行間を読むといったことです。たとえば、日本人ならお土産を渡すときに、「つまらないものですが」と言いますよね。アスペルガー症候群だと、「つまらないものなんだ」と思ってしまいます。

言葉の裏側の意図が読み取れないために、誤解を生んでしまったりするわけです。

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アスペルガー症候群の特徴について

コミュニティの中で浮いてしまう

アスペルガー症候群の人は、周りと上手くコミュニケーションを図ることができません。空気を読んだり、相手の言葉の意図が読み取れないために、浮いた存在になってしまうわけですね。

特に、同年代のコミュニティの中だと、仲間外れになってしまう可能性が高いです。周りが年上ばかりだとリードしてもらえますし、年下ばかりだと自分が指図することができます。

しかし、上下関係がない場合だと、どのように振る舞っていいのか分からなくなるわけです。だから、学校のクラスなどでは、孤立する可能性が高いでしょう。

思ったことを口に出してしまう

何の悪気もなく、失礼なことを口走ったりしてしまいます。たとえば、髪を切った人に対して、「その髪型、似合ってないね」などと言ってしまうわけです。本人は、それが失礼なのだと認識できません。

社会には暗黙のルールがあり、「やってはいけないこと」「言ってはいけないこと」などがいくつもあります。法律で禁止されていないけれど、ダメなことはたくさんあるわけですね。

アスペルガー症候群だと、そういった暗黙のルールを理解することができません。

特定の分野に対する異常な興味

ある特定の分野に対して、異常なほどの集中力や執着を見せることがあります。たとえば、絵に興味を持つと、何時間でも延々と絵を描き続けます。虫に興味を持つと、昆虫図鑑をすべて丸暗記したりするわけです。

タレントのさかなクンも、アスペルガー症候群である可能性があります。彼は、魚に異常な興味を示し、東京海洋大学の准教授にまでなっていますね。

一方、ある特定の分野に対しては集中しますが、それ以外に関しては全く興味を示さないのも特徴だといえます。たとえば、サッカーに興味を持つと、各国の選手名やポジションなどを細かく覚えるようになります。

しかし、自分がサッカーをすることに対しては、何の興味を示さないといったことがありますね。

また、その興味が間違った方向へ行くと問題があります。たとえば、ある人のことを好きになって、しつこく付きまといをすることもあるようです。ストーカーまがいの行為に走ることもあるので、注意しなくてはいけません。

他にも、自分の興味のある事柄に対して、矢継ぎ早に質問を繰り返すこともありますね。相手が嫌がっていても気づかないために、自分の気が済むまで質問をし続けてしまいます。

言葉遣いや言い回しが独特

難しい言葉を乱用したり、独特な言い回しを好んで使う傾向にあります。元力士の高見盛さんは、話し方が独特だったりしますよね。この人も、アスペルガー症候群ではないかと言われています。

また、情報の取捨選択ができないために、くどい話し方をしてしまうこともありますね。

たとえば、「昨日は何を食べたの?」と質問されたら、「昨日は、ステーキを食べたかったんですが、良い店が無かったのでカレーを食べました。ジャガイモの甘みが効いてて美味しかったんですが、少し量が少なかったですね。そして、・・・。」

このように、どうでも良い情報を入れてしまって、何が言いたいのか分からない状態になってしまいます。本人からすると、どの情報が必要なのか判別できないので、知っていることをすべて話そうとするわけです。

感覚が過敏になる

五感が非常に敏感で、過剰に反応してしまうことがあります。特に、聴覚過敏がアスペルガー症候群によくみられる特徴ですね。ちょっとした物音でもビックリしてしまったり、人混みや踏切などには近づかないようになります。

他にも、視覚が敏感で光を異常に嫌ったり、味覚が敏感で偏食が激しかったり、嗅覚が敏感で香水や整髪料を嫌ったり、触角が敏感で他人に触られることを嫌がったりすることがあるようです。

独自のルールに固執する

何に対しても、ルールを決めたがります。お風呂や夕食の時間であったり、毎日のスケジュールをパターン化したがるわけです。そして、そのルールを維持でも死守するようになります。ルールが崩れるのが嫌で、予期せぬことが起きるとパニックになることもありますね。

なので、集団行動が苦手になってしまい、いつも一人で行動しがちです。周りの組織に馴染めないのも、こういった特徴があるからでしょう。自己中心的だと思われますが、これもアスペルガー症候群の特徴だといえます。

相手の気持ちが理解できない

相手が何を望んでいるのかを、理解することが難しいです。

たとえば、相手が嫌がっているのに一方的に話し続けたり、表情や態度などから気持ちを読み取ることができません。喜怒哀楽などの感情を理解するのが難しいために、場の空気を読めない言動をすることもあります。

また、言葉の裏側に込められた意図なども理解できません。「この時計見て!昨日買ったの」と言っても、見ることしかできないわけです。

普通だったら、「カワイイね」とか「どこで買ったの?」などと聞くべきですが、「見て」と言われたから見ることだけで終わってしまいます。

知能が高い

アスペルガー症候群の人は、平均以上に頭が良くて成績が優秀である場合が多いです。なので、一流大学を卒業している人も珍しくありません。ただし、社会に出て仕事をし始めると、周りとの関わり合いに苦労するようになります。

勉強ができて優秀であるために、少し変なところがあっても問題視されないわけです。だから、そのまま成長してしまって、大人になってから苦労するというパターンになってしまいます。

インテリ系で周りのとのコミュニケーションが苦手な人は、アスペルガー症候群である可能性が高いですね。

アスペルガー症候群のチェック診断

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これまでの文章を読んで、自分がアスペルガー症候群かもしれないと思った人がいるかもしれません。ただ、明確な判断基準がないために、断言することは難しいでしょう。

そこで、自分でできるアスペルガー症候群のチェック方法を紹介します。以下の質問を見て、当てはまるものを数えてみてください。

  • 大勢で集まるよりも一人の方が好き
  • 毎日の行動パターンはほとんど同じ
  • 時間を忘れるくらいに何かに没頭することがよくある
  • 小さな音に敏感である
  • 数字やジンクスなどに強いこだわりがある
  • 他人を怒らせることが多い
  • 周りの会話についていけないことが多い
  • それ無しでは生きられないほどの趣味がある
  • 相手に話す隙を与えないほど話し続けることがある
  • 小説やドラマなどを見て登場人物の気持ちが理解できないことがある
  • 友達を作ることが難しいと感じる
  • 自分の予定が崩れるとイライラする
  • 同時に2つ以上のことができない
  • 複数人で集まると会話の中に入れない
  • 冗談を真に受けることが多い
  • 興味を持つとトコトン調べたくなる
  • 変わってるねとよく言われる
  • 小さな変化にも気づくことが多い
  • 会話中に何が言いたいのか分からなくなる
  • 場を白けさせてしまう発言が多い
  • 初めての場所へ行くと不安を感じる

当てはまる項目が多いほど、アスペルガー症候群の疑いがあります。特に、15個以上当てはまる人は、要注意かもしれません。

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アスペルガー症候群である有名人・芸能人

みんなが知っている有名人の中にも、アスペルガー症候群の人は少なくありません。噂レベルの人もいますが、中にはアスペルガーだと公表している人もいます。

スーザン・ボイル

イギリスの女性歌手で、素人のオーディション番組から火が付きました。YouTubeで世界的に有名になったことから、日本でも知名度が高い歌手ですね。

そんな彼女ですが、2013年にイギリスの新聞のインタビューにて、自分がアスペルガー症候群だと公表しています。

スティーヴン・スピルバーグ

ETやジョーズ、ジュラシックパークなど、超有名映画の監督を務めたことで有名ですよね。映画を観ない人でも、名前は必ず知っているでしょう。

世界的スターのスピルバーグですが、2012年にアスペルガー症候群と学習障害であると公表しています。

アスペルガー症候群によって映画に強い興味を持つことで、世界的な映画監督に慣れたのかもしれません。

倉持由香

バラエティ番組などでも活躍している、人気グラビアアイドルです。ツイッターで自撮り写真を投稿しており、「グラドル自画撮り部 部長」と称していますね。

中学生の時に、周りと上手くコミュニケーションが取れなくなり、病院でアスペルガー症候群だと診断されたそうです。

アスペルガー症候群は遺伝する可能性がある

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アスペルガー症候群は、先天的な脳の障害です。生まれ持ったものなので、親の遺伝子が関係していると思われやすいですね。

実際のところ、アスペルガー症候群は遺伝によって発症する可能性があります。

先述の通り、アスペルガー症候群は自閉症の一種です。そして、自閉症スペクトラム障害の一種に属するので、その発生要因として遺伝の関係性は否定できないとされていますね。

ただ、明確な原因は判明していませんから、遺伝ではない可能性も十分にあります。だから、自分の子供がアスペルガー症候群だからといって、親が責任を感じることは無いでしょう。

また、親の育て方に問題があると言われることもありますが、それは全く関係ありません。先天的なものですから、どんなしつけを行っても関係ないわけです。

しかし、傍から見ると「親のしつけがなってない!」というレッテルを貼られるかもしれません。そういった偏見の目があるかもしれませんが、仕方がないことですから気にしないことが大切ですね。

アスペルガー症候群の根本的な治療方法はありません

世間的にも認知度が高まってきたアスペルガー症候群ですけども、根本的な治療方法は見つかっていません。

でも、完治させることは難しいですが、地道にトレーニングを行うことで症状を和らげることは可能です。コミュニケーションの場数を踏んで対応方法を覚えたり、意見交換を行うことで意思疎通ができるようになります。

また、アスペルガー症候群がキッカケで、うつ病や不安の症状が出ることがあります。そういった時には、精神科で抗うつ剤や抗不安薬などを処方されたりしますね。

このような対症療法を行いながら、トレーニングを行っていくことが大切だといえるでしょう。

アスペルガー症候群の人との接し方

相手を変えようとしない

アスペルガー症候群は、生まれ持った性格のようなものです。その人の個性ですから、無理に変えないようにしましょう。先述したように、アスペルガーの人は、自分で決めたルールに固執する傾向にあります。

だから、周りの人間が無理に変えようとしても、反発されるだけです。ですから、自発的に動けるようにサポートすることが大切ですね。相手にストレスを与えるだけなので、強制的に押し付けるようなことは止めましょう。

具体的に伝える

言葉の裏側にある意図などが読めませんから、曖昧な言葉を使わずに具体的に指示を出す必要があります。たとえば、「会議の資料を作って、14時までに提出して」といった伝え方をしましょう。「会議の資料よろしく!」だけでは、相手には何も伝わりません。

また、一度に複数の指示を出すときには、メモに書いて渡すようにしてください。多くの指示を出すと混乱してしまいますから、一つずつ消化できるようにメモにすることが大切です。

知能は高いですから、的確な指示を出せば思うように動いてくれるでしょう。

動きやすい環境を作る

アスペルガー症候群の人は、普通の人よりも感覚が過敏なために気が散りやすいです。なので、明るすぎたり、騒音が大きい場所は好みません。不必要な情報が入る環境では、混乱してしまいますから注意してください。

なので、サングラスや耳栓の使用を許可したり、デスクの周りのものを減らしてシンプルにしましょう。集中できる環境を用意してあげると、自分の実力を発揮してくれるはずです。

無理な仕事を振らない

先述したように、アスペルガーだと興味が限定的です。興味のある分野に対しては高い集中力を発揮しますが、それ以外のことに関しては全く力を発揮できません。なので、仕事で成果を出せないのであれば、その仕事が合っていない可能性があります。

適性に合わない仕事を割り振っても効率が悪いので、本人の能力を見極めて得意な仕事をやらせるようにしましょう。適材適所で考えることが、仕事で結果を出させるためのコツです。

自信を持たせる

思うように動いてくれないからといって、否定的な言い方をしてはいけません。アスペルガー症候群の人は、否定的な発言に対して敏感です。何もかも嫌になってしまいますから、相手の自尊心を傷つけるような言い方は止めましょう。

積極的に動いてもらうためには、自信を付けさせることが大切です。得意な仕事を任せて成功体験を積み重ねることで、どんどん自信が付いてきます。そうすると、自発的に行動してくれるようになるでしょう。なので、小さなことからやらせるようにしてください。

アスペルガー症候群に関する本

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群についての全般的な知識が得られる本です。具体的な症例が、過去の偉人などの例を交えて紹介されているので非常に分かりやすいです。

学校や職場でアスペルガー症候群の疑いがある人がいるのなら、どのように接すれば良いのかが分かると思います。

また、家族にアスペルガー症候群の人がいる場合には、症状を改善して特性を生かすための方法を知ることができるでしょう。

アスペルガー症候群のある子どものための新キャリア教育

アスペルガー症候群の子供を持つ親に向けて、その対処法などが書かれている本です。著者は現役の臨床心理士なので、自閉症やアスペルガー症候群などの知識が豊富ですね。

実際にアスペルガー症候群を克服して就労している人の例が紹介されていますから、臨場感があって具体的な内容が書かれています。

子供の教育法に不安を持っているのなら、必ず読みたい本ですね。

以上、アスペルガー症候群の特徴と接し方について紹介しました。

特殊な人に見えるので、どうやって接したら良いか分からないと思います。でも、しっかりと相手と向き合えば、分かり合うことができるはずです。なので、根気よくコンタクトを取ってみてください。

photo credit: Urban insanitycheckDNA isolated

 - メンタルヘルス, 心の病