中国消費者物価 10か月ぶり低い伸び

中国消費者物価 10か月ぶり低い伸び
中国の先月の消費者物価指数は、前の年の同じ月と比べて1.3%の上昇にとどまって10か月ぶりの低い伸び率となり中国の個人消費が力強さを欠いているとの見方が出ています。
中国の国家統計局によりますと、先月の中国の消費者物価指数は前の年の同じ月と比べて1.3%の上昇にとどまり、上昇率は前の月から0.5ポイント低く、4か月連続で下がり、10か月ぶりの低い水準となりました。

これは携帯電話や家電製品が一段と値下がりしたほか、衣料品などの値上がり幅が縮小したことなどによるもので、中国政府が3%程度としていることしの目標や、市場の予想を下回りました。
中国経済の専門家は、「政府が構造改革を進めるなか、消費者の間では雇用や所得の先行きへの不安から慎重な姿勢が広がっている」と指摘し、個人消費が力強さを欠いているとの見方を示しています。

一方、企業が工場などから製品を出荷する際の値動きを示す生産者物価指数は、先月は前の年の同じ月と比べて0.8%の下落となり、下落率は前の月より0.9ポイント縮小しました。
インフラ建設の拡大などで需給が改善した鉄鋼製品の値上がりが影響した形ですが、全体としては、設備投資の伸び悩みで販売が振るわない工作機械、それに自動車や化学繊維が値下がりするなど、物価が下がりやすい状況が続いていて、中国経済の内需の先行きは依然、不透明です。