ガザ地区との境界線 地下も隔てる壁の建設始まる

イスラエル軍は、パレスチナのガザ地区からイスラム原理主義組織ハマスの戦闘員が地下トンネルを使って領内に侵入するのを防ぐため、ガザ地区との境界に沿って地上だけでなく地下も隔てる壁の建設に乗り出しました。
パレスチナ暫定自治区のガザ地区は、イスラエルとの武力闘争を掲げるハマスが実効支配しており、イスラエルとエジプトが「テロリストの侵入を防ぐため」として壁やフェンスで周囲を取り囲んでいます。

しかし、2年前の2014年に、イスラエル軍が地上侵攻した際には、ハマスの戦闘員が地下トンネルを使って、たびたび越境攻撃を仕掛け、イスラエル側にとって大きな脅威とされてきました。

このため、イスラエル軍は、このほど地上だけでなく地下の深さ数十メートルまで及ぶ新たな壁の建設に乗り出しました。

イスラエルとガザ地区の境界付近では8日、イスラエル軍が重機を使って壁の一部と見られる巨大な建材を動かしている様子が確認されました。
イスラエル軍はガザ地区のすべての境界線に、こうした壁を設置する計画で、イスラエルのメディアによりますと、経費は日本円にして500億円以上に上ると見られているということです。

「天井のない監獄」とも呼ばれるガザ地区は、すでに15年以上にわたって、人やものの行き来が制限されており、市民の暮らしは極めて厳しい状況が続いています。