蹴球探訪
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【首都スポ】2020年東京五輪へサーフィン界期待の星 新井洋人2016年9月13日 紙面から
2020年東京五輪の追加種目となり、「波乗りジャパン」という日本代表の愛称が発表された日本サーフィン界に、若手の注目株がいる。世界中のサーファーが参戦する世界サーフリーグ(WSL)が運営する最高峰のワールドチャンピオンツアー(WCT)の舞台で活躍することを夢見る才能豊かなサーファー、新井洋人(21)=横浜市出身=。ワールドクオリファイングシリーズ(WQS)と呼ばれる予選ツアーに参戦しながら、五輪の大舞台に立つことも目指している。 (フリージャーナリスト・辛仁夏) 荒ぶる波に向かってサーフボードを抱え、さっそうと海に入っていく姿が格好いい。8月に入ったばかりの千葉・片貝海岸。取材当日は、あいにくの曇りで、強風が吹き、時折雨も混じる天候だった。海水浴客はいない。 カットバックやオフザリップ…。新井が波に乗りながら次々と技を繰り出す。波が割れた乗り面(フェース)に切り込むキレとスピードに魅了される。海岸を監視中の大学生ライフセーバーがそのサーフィンを見て、思わず駆け寄ってきたほどだ。「あの人は誰ですか? 上手ですね」と。誰もが目を奪われるほど、パフォーマンスは際立っていた。 「たぶん0歳から海に来ていて、4歳ごろからやり始めたサーフィンは生活の一部。海外のうまい選手の映像を見て格好よくて、こういう風なサーファーになりたい一心でずっとやってきて楽しいし、好きなことです」 両親ともにサーファーで父親はサーフショップを経営。そんな環境も大きく影響していることは間違いないだろう。 7月、小さいころから親しんでいた湘南の海でで行われた国際大会でツアー初優勝。応援に来てくれた仲間や浜からコーチングしてくれた父親の前で勝利を挙げ「自分本来のスピードとキレの良さを評価してもらい点数が出たのでうれしかった。今後につながる一勝になった」と手応えを口にしていた。 この夏、サーフィンが正式に東京五輪の種目になったことで、多くの人にこの競技を知ってもらえるいい機会と捉える。 「もちろん目指す大会の一つです。ただ小さいころから目指している世界ツアーで活躍できなければ、オリンピックでも結果を出すことは難しいと思うので、自分のレベルを上げることに集中していきます」 五輪種目決定直後に行われた8月上旬の世界選手権(コスタリカ)では、メンズ部門に初出場し、8位に入賞した。この一戦をスタートに約2カ月間の長期海外転戦中で、年に約10カ月も海外遠征をこなす21歳のプロ生活に休息はなく、1月から12月まで大会に出っぱなしという。 「毎年毎年、怒涛(どとう)の1年ですよね。数カ月間の海外転戦もあり、日本と海外を行ったり来たり。この7年間はぶっ通しで、昨年は約20戦ほど試合に出ました」 WQSのランキングは、年間で勝ち取ったポイントの高い上位5大会の合計点で順位が決まる。新井は昨年、最終ランキングで自己最高の107位。今年は80位以内を目標に掲げ、最新ランキングで91位。先週に行われたグレードの高い大会で自己最高位の17位と大健闘して、一気にランクアップに成功した。7月にタイトルを獲得した大会に続き、シーズン後半戦で目標ランク入りを虎視眈々(たんたん)と狙っている。 10代前半で本場オーストラリアにサーフィン修行へと出向いた。世界的に有名なサーフスポットの「レノックスヘッド」も練習拠点の一つで、日本では千葉や伊豆、湘南で波に乗る。世界各地を転戦しながら、大きな夢に向かって日々精進しながら突き進んでいる。 「世界トップ32人しか出られないツアーのWCTに出ることが一番の目標ですね。そこに日本人はまだ誰も入ったことがないので、3、4年後の25歳前後までにはその舞台に行きたいです」 チャーミングな笑顔で、目をキラリと輝かせて宣言した。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。 PR情報
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