中国「民主の村」前村長 収賄罪で実刑判決

中国で珍しい直接選挙で選ばれた前の村長に対し、裁判所が賄賂を受け取った罪で実刑判決を言い渡し、今後、判決に反発して住民による抗議活動が高まる事態も予想されます。
判決を受けたのは中国では珍しい直接選挙が認められ、「民主の村」として知られる南部、広東省烏坎村の前の村長の林祖恋被告です。

林前村長は、地方政府に土地の返還を陳情しようとしていた矢先のことし6月に、村の公共工事などをめぐり、賄賂を受け取った疑いで拘束され、その後、起訴されました。

中国国営の新華社通信によりますと、広東省仏山の裁判所は8日、林前村長に対して懲役3年1か月、罰金20万人民元(約300万円)の実刑判決を言い渡し、林前村長も、これを受け入れ上訴しない意向を示したということです。

判決の言い渡しに合わせ、裁判所の周辺では大量の警察官が動員されて道路が閉鎖されるとともに、海外メディアが近づかないよう厳重な警備が敷かれました。

烏坎村では林前村長が拘束されたあと、これに反発する住民が連日抗議デモを繰り返していて、今後、判決を受けて抗議活動が、さらに高まる事態も予想されます。