政権交代を機に台湾を訪れる中国人観光客が減少している。蔡英文(ツァイインウェン)総統の対中政策に中国が不満を抱いていることが影響しているとみられ、台湾の観光業者ら約1万人が12日、台北市内でデモをした。ただ、台湾では業者のあり方にも批判があり、デモへの共感は広がりに欠けている。
「生きるには仕事が必要だ」。この日のデモには旅行ガイドや観光バス業者、土産物店の従業員らが参加し、シュプレヒコールをあげながら総統府に向けて市内を行進した。東部・花蓮の土産物店で働く呉思廷氏によると、新政権が発足した5月ごろから中国人の来店者数が7割ほど減り、売り上げも6割減った。「従業員も半分に減らした。悲惨な状況だ」と話す。
台湾の交通部観光局によると5月以降、中国人の団体客が3割減った。個人客は増えているが、全体では6月は前年同期比約12%減、7月は同15%減だった。中国国務院台湾事務弁公室の張志軍主任は観光客減少に政府として関与はしていないとしつつ、中台関係の緊張が影響しているとの見方を示している。
一方、中国人観光客の受け入れ…
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朝日新聞国際報道部
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