蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【大相撲】稀勢の里、「V率0%」押し出した2016年9月13日 紙面から
◇秋場所<2日目>(12日・両国国技館) 横綱昇進を目指す大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=は小結栃煌山を押し出して連敗を免れ、初白星を挙げた。2横綱は明暗が分かれた。2連覇を狙う日馬富士は嘉風を押し倒して2連勝としたが、休場明けの鶴竜は隠岐の海の土俵際での小手投げに屈して2連敗となった。隠岐の海は3個目の金星。かど番の大関2人は豪栄道が正代を、琴奨菊は栃ノ心を寄り切ってともに2連勝。 ◆「徹底的に褒めます」たかが1勝、されど1勝−。綱とり&優勝にまつわる重いジンクスを振り払う白星で、稀勢の里が息を吹き返した。 相手の栃煌山は、稀勢の里にとって“綱とりキラー”。先場所だけでなく、2013年名古屋場所、14年初場所の計3度、土を付けられて賜杯を逃す一因となってきた。しかも、初日から2連敗となれば「優勝確率0%」の危険ゾーンに足を踏み入れる一番だった。 部屋での朝稽古では、立ち合いを繰り返しながら、左を差す攻め口も確認した。前日の拙攻を反省しながら「きょうが初日と思ってやるだけ」。引きつるような笑顔も浮かべ、必死に気持ちを切り替えて勝負の土俵に上がった。 互角の立ち合いから、2度3度と右の喉輪で相手の圧力を食い止め、すかさず左。おっつけて相手の攻めを封じて体勢を崩し、じっくりと押し出した。 文句なしの一番に、周囲の評価も一変。初日後、皮肉交じりに大関を酷評した横綱審議委員会の守屋秀繁委員長は「きょうは徹底的に褒めますよ」と切り出して「落ち着いていた。力強い相撲を取ってくれれば期待は持てる」と絶賛した。 綱とりも、初日の「もうないね」はどこへやら。「まだ続いていると思う」と明言した。 土俵下で見守った一門の二所ノ関親方(元大関若嶋津)は「おっつけが強いね。左を使えると強い」と分析。「一発で持っていった。あれが稀勢の里の相撲だよね」と本来の安定感を評した。 支度部屋を去る直前、ようやく満面の笑みがこぼれた綱とり大関は「まあ、ここからでしょう」。絶対的な「左」の強みを取り戻して初優勝へ、もう隙は見せない。 (志村拓) PR情報
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