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kojitakenの日記

2016-09-13 続・「保守」の正体

続・「保守」の正体

この日記に寄せられたコメントによると、石破茂が「保守とはイデオロギーではなく感覚」だと宣ったとのことだが、私見では「感覚」ほどたちの悪いものはない。

日本軍の兵士を次々と死へと追いやった辻政信だの牟田口廉也だのといった輩は、まさに「感覚」というか感性の赴くままに好き勝手な(=根拠のない楽観的な見通しに基づいた)「作戦」を立てたというべきだろう。現実離れしていて、かつ自軍の兵士の人命を全く顧慮しない奴らの「作戦」によって犬死にさせられた兵士たちにとっては取り返しのつかないことだった。然るに、現在でも検索語「作戦の神様」でググると、辻政信が筆頭で引っかかる(私はこれを確認した時頭に血が昇った)。半藤一利が「絶対悪」と評した辻政信を「つじーん」などと親しげに呼ぶ軍事マニアないし日本軍マニアも未だに少なからず存在するようだ。

そもそも、石破茂が本当にそう言ったとすれば、石破は「イデオロギー」よりも「感覚」の方が上等だ、という「感覚」を持っているとみなして差し支えないようだ。しかし私にはそんな「感覚」は「イデオロギー」よりもっと危険だとしか思われない。「感覚」とやらと比較すれば、まだしも「イデオロギー」の方が、少なくとも100倍は上等であろう。

mtcedarmtcedar 2016/09/13 02:32 というのか、そうしたイデオロギーや人間の理性よりも「感覚」・慣習を重んじるってのは、前エントリで出てきたバークの考えそのものだったりしますね。人間の理性や設計された制度・イデオロギーは人間が不完全な存在である以上何処かで欠陥があるものだから、長い経験で積み重ねられていた慣習や「感覚」に則った方が巧くいくってのがバーク流保守主義の"キモ"だったりしますし。

近いうちに「鍋パーティーのブログ」で「貧困女子高生」のマスコミでの取り上げ方をネタに一つエントリをものしてみようと思っいるのですけど、この「感覚」でモノを考えたり言ったりすることが反って危ういって自分は思うんですよね。確かに「貧困」ってのが存在しそれで苦しんでいる人がいるのは「感覚」として解っている・しかしその「貧困」のイメージが余りに「感覚」的でステロタイプなものになってるだけに「その部屋のなかに、アニメグッズやイラスト用のペン、エアコンのようなものが映り込んでいた」とか「アーティストのライブに行っている」「1千円以上のランチを食べている」というのを見ると、それこそ粗探しの様に自らの「感覚」とは違う"贅沢さ"の指弾へと繋がり実際には少なからず問題となっている(そして殆ど理解されていない)相対的貧困の問題への理解を妨げてる障壁にすらなっているとこがあるのですよ。

よく、貧困や差別・障害の問題で何かヘイトスピーチやそれに類する言動が出てくると、それは本来の「保守」とは違って「助け合いの伝統」云々と庇い立てする言説をよく見かけますけど、かつての五人組や隣組・今の町内会や区会でさえも見られる様に「助け合い」が一種の相互監視的な暴力装置みたいになっているとこがありますし、そこへ「感覚」というのが入り込むと一つ他よりはみ出した・違ったことをすることに対しては非難や指弾の対象にすらなるって現実もあったりしますから、最近の「保守」を矢鱈評価したりする向きには自分はどうも肯けない訳でして。

axfxzoaxfxzo 2016/09/13 04:57 大所高所というか、む難しいことをあえて申しません。
あのさ、今の日本政治で保守を自称する人々で、こいつはそれなりに頷けるかな?っての、いますか?
いますかねえ?
これに尽きるっしょ!
石橋湛山とか三木武夫とか鯨岡さんとかなら、まあありでしょ。宇都宮徳馬とかもね。それは鳩派だからいいのだというだけではないですよ。
あと、リベラル保守を唱えている週刊金曜日なんかにも出てくる中島なんとかでしたか?もう、いいだろ。
ハイブリットもたいがいにしな!
私が今のご時世に照らし合わせて相対的にだいぶ左だから罵っているというわけでもないとは、少しは察して頂けると幸いです。
あとさ、保守を唱えている輩は独断と偏見と叱られるかもだが、なべて
二つに分けられそう。
ひとつは『極右であること』のカモフラージュとして。
かつてなら極右とか鷹派だとかとマスコミも言っていたのが、今や保守色の強いという表現ですよね。
保守を隠れ蓑にして極右思想を炸裂させる風潮じゃないか?
そしてもうひとつは、だらしない左派がこうした風潮に妥協して歓心を買おうとするときの手段として。
朝日や毎日などのメディアが穏健な保守勢力として(笑)、民進をリードしようとしていると書くと、さも私が共産党シンパみたいにみられそうだが、昨今の特に毎日などの社説なんてのは、多分にそうした傾向に思えませんかね?
穏健な保守などを元来求めなくてはならぬのは自民党に対してで、なぜ
民進などにそんなノリを求める?
理屈を捏ねたら民進には右が多いからだろうけど、保守二大勢力体制をよしとするメディアの策動みたいに
思えますな。

mtcedarmtcedar 2016/09/13 11:24 id:axfxzo
以前に「オルタナティブ右派」についてコメントで触れたことがあるけど、八田真行氏がその「オルタナティブ右派」の言動の背景として「アイデンティタリアニズム」 http://www.mhatta.org/wp/blog/2016/09/12/identitarianism-as-racism-2-0/ ってのに触れているんだよね。

例えば黒人や白人・日本の場合なら例えば在日外国人とか帰化人とか出自に関して一々問題にする訳ではない、しかし例えば日本に住む以上は「日本的なもの」に従って不満を漏らすな・「普通の日本人」としてその「感覚」で暮らせ(多様性云々なんて文句言うなら日本から出ていけ!)ってのが「アイデンティタリアニズム」の考えだったりする。それで、「オルタナティブ右派」の考案者(?)にして「アイデンティタリアニズム」を自認しているリチャード=B=スペンサーは「日本は国民国家なので多様性の問題が無く平和で素晴らしい」って言っているんだよね。

こうした「アイデンティタリアニズム」の動きってアメリカ以外にも例えば欧州でも盛んだったりして、其処には多様性で割を食う側の反発や相互のアイデンティティを尊重するパトリオティズム的な側面や反グローバリズムもあれば個人の自由を重視して似たような志向の人で集まって暮らそうというリバタリアン的な側面もあったりする訳。日本で兎角「保守」というのを口にする"政権批判"側とか内田樹や白井聡・孫崎享など「国民国家」「自主路線」とかを口にする面々を見ていると、それは(今の自民党政権に対する)「オルタナティブ右派」の潮流って気もするし、流石にレイシストとは断言し難いけれど「アイデンティタリアニズム」が根底にあって寧ろ自民党政権と同じかそれ以上に息苦しい社会しか想像できないんだよね。

axfxzoaxfxzo 2016/09/13 11:36 こ難しいことをペラペラと(笑)。
こぼれる知性を振りかざしってジョークも言いたくもなる(笑)。
あ、これは貴方を批判して書いているわけじゃないよ、念のために言っておきますけど。発言内容は正しいと思うしね。
もう少し、やさしく書きましょう。
折角頭がいいんだから!
井上ひさしがその昔、ゼミナール日本経済とかいう(俺の大嫌いな!)
日経新聞社の本の帯で書いていたのを思い出した。
ひさしさんいわく
『難しいことを易しく易しいことを楽しく』みたいなことを書いていたのを思い出したよ。多分、正確な文言ではないと思うよ。もう二十数年も昔の記憶だから。
でも、かくありたいものですね。
それにしても産経の野郎、調子づきやがって。クソッタレと、エベールみたいなことを書いて終わりとしますね。

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